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ラグビー、サッカー、ソフトボール… キャンプ地に選ばれる沖縄の村 呼び込む秘訣は?

2018年5月12日 05:00

 2019年のラグビーワールドカップ日本大会で米国の公認キャンプ地に内定した読谷村のスポーツコンベンションが好調だ。一括交付金でキャンプ受け入れ事業に乗り出した2012年度は6団体だが、17年度は21団体と3倍以上に伸び、申し出を断るケースも出ている。積極的に新規チームを誘致せずとも、次々にキャンプを呼び込む秘訣(ひけつ)は、立地もさることながら村を挙げた「読谷流おもてなし」にある。ただ、村職員や観光協会などのマンパワーによるところが大きく、キャパオーバーを指摘する声もある。(中部報道部・篠原知恵)

7人制ラグビーの男子日本代表候補の歓迎式では、30キロのキハダマグロが贈られた=2016年5月

 「正直、最初は何に使えばいいか分からなかった」。村ゆたさむら推進部の山内嘉親部長は、事業開始当時を振り返る。沖縄の主体性に配慮するとし、12年に政府が始めた一括交付金制度。活用を考えあぐねて飛びついたのがスポーツコンベンションだった。冬場の観光閑散期に新たな魅力を、との狙いだったが「効果がすぐに見えづらく、どう村民の理解を得るか悩んだ」という。

 海邦総研の試算で、14年度実績に基づく選手団やファンの消費額など村内経済効果は4億239万円に上った。「1度来たチームが別のチームを呼んでくる。選手との関係性を大切にした『読谷流おもてなし』の結果ではないか」。村観光協会の比嘉等事務局長は語る。

「フルメニュー」

 事業開始前の12年2月、キャンプに来たサッカーJ1のサガン鳥栖は7年連続で訪れている。14年度から同ヴィッセル神戸も常連組に入った。サッカーにとどまらず、13年度の豊田自動繊機ラグビー部を皮切りに、ラグビー男子(15人制・7人制)と女子7人制の日本代表も毎年キャンプ入り。14年度に同じ豊田の女子ソフトボール部が訪れ、2年後に女子ソフト日本代表も常連となった。

 11年度は市町村別キャンプ・自主トレ回数のトップ10にも入らなかったが、5年後は5位以内にランクイン。経済効果に限らず、選手によるスポーツ教室で村内の子どもたちが「本物」に触れる機会も増え、村民にも徐々にスポーツキャンプが身近になってきた。

 急成長の原点にあるのは、22年連続で村内キャンプを張るプロ野球中日ドラゴンズ2軍へのおもてなしだ。歓迎式に協賛企業による特産品贈呈、村民交流会、村内はのぼりや横断幕で彩り歓迎ムード一色に。シーズン中は中日の本拠地名古屋に関係者や芸能団で応援に行き、選手やファンに来訪をPR-。ほかのチームにも官民でつくる「受け入れ協力会」で、「中日並みのフルメニュー」(比嘉事務局長)を応用し歓迎してきた。

一定期間に集中

 ただ実は、交流会運営などのもてなしに一括交付金を含む村予算は使われておらず、村職員や観光協会などのマンパワー頼みだ。事業予算は主に本拠地訪問や横断幕作製に充てる。通常業務をこなしつつ、昨年度11チームの交流会などを開いた比嘉事務局長は「ありがたい話だが、キャンプは一定期間に集中し、正直キャパオーバーだった。持続可能な読谷流おもてなしへと考え直す時期」と話す。

 20年東京五輪も迫り、キャンプ誘致を目指す村は米軍基地跡地への筋トレ施設などの整備も急ぐ。山内部長は「読谷で断らざるを得ないチームを他市町村で受け入れできないかなど沖縄全体で連携していきたい」と力を込めた。

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