県道131号沿い、沖縄県八重瀬町の新城公民館近くの住宅地にある店は、手入れの行き届いた緑が入り口を飾る。午前9時に開店するが「ランチまでは、ありもので作る。お年寄りがゆんたくしに来るから開ける」と店主の与儀君枝さん(66)は笑う。閉店後も地元の人々が訪れる憩いの場だ。

新城産の野菜をふんだんに使う「日替わりおまかせランチ」。ボリュームもたっぷりだ

閉店後も客が入る店の前で、「孫が『準備中』の下げ札の意味ある?と笑う」と話す与儀君枝さん=八重瀬町新城

茶房いなよ~家の場所

新城産の野菜をふんだんに使う「日替わりおまかせランチ」。ボリュームもたっぷりだ 閉店後も客が入る店の前で、「孫が『準備中』の下げ札の意味ある?と笑う」と話す与儀君枝さん=八重瀬町新城 茶房いなよ~家の場所

 仕込み終えて午前11時半からの「日替わりおまかせランチ」(税込み700円)は、地元に根差しているからできる看板メニューだ。食材の野菜はほとんど新城産。「近所のおじぃ、おばぁが家で食べるために無農薬で育てる分の『お裾分け』」と与儀さん。新城の味を広めたいと、1袋100円ほどで販売もする。

 その日の野菜次第で献立は決まる。週の真ん中の水曜日だけは汁物が主菜。今月9日はイナムドゥチにイカスミ麺の炒め物、サラダ、ご飯、漬物が付いた。町特産のピーマンのほかタマネギ、キャベツなど10種以上を使う。

 イナムドゥチは、かつおと昆布で丁寧にだしを取る。ご飯は夫・喜三さん(69)の畑のウズラマメ入りで食感が楽しい。ほんのり甘みが漂うのは米油を垂らして炊くから。塩分を控えてうま味調味料も使わない中で多彩な味を工夫する。沖縄そば(550円)、イカスミそば(600円)などもある。

 料理は末娘の徳浜園子さん(38)が作る。園子さんの高校卒業とともに26年間勤めたバス会社を辞め、1999年に店を始めた与儀さん。糸満市出身で結婚した74年から新城に溶け込み、今では集落の伝統舞踊「シーヤーマー」の保存会長も務める。「3人の子を一緒に育ててくれた地元への恩返し」との思いは客を迎える笑顔に表れる。(南部報道部・堀川幸太郎)

 【お店データ】八重瀬町新城1566。営業は午前9時~午後5時。ランチは午前11時半~午後2時半。日曜と祝祭日定休。ほか不定休。約30席。近くに駐車場。電話098(998)5597。