インドネシア出身のデヴィ・ラティ・ガヤトリさん(31)=うるま市=が日本で暮らすという幼い頃からの夢をかなえ、沖縄市の宮里中学校と美東中学校で外国語指導助手(ALT)として昨年6月から教壇に立っている。英語を使って真剣な表情で質問する生徒との触れ合いに喜びを感じる日々。「夢を諦めずに沖縄に来てよかった」と充実感にあふれている。(中部報道部・溝井洋輔)

1年生に優しく英語を教えるデヴィ・ラティ・ガヤトリさん=2日、沖縄市・宮里中学校

 市教委によると、日本語学校の卒業生がALTに就くのは市内で初めて。日本語学校の関係者は「県全域でも例がない」という。

 デヴィさんが初めて日本を訪れたのは4歳か5歳のころ。石油関連企業で働く父と共に4歳上の姉と母の家族4人で1カ月間、東京のホテルで暮らした。東京タワーや浅草寺の景色は記憶の中で今も鮮明だ。

 父が勤務したハワイやシンガポールにも同行したが、日本語の響きをおもしろく感じ、ドラえもんなどアニメも好きになった。ジャカルタの大学では能や歌舞伎など日本文化や歴史を学び、卒業してからは日本語の専門学校で働いた。

 日本に留学することを諦めきれずにいた3年前に転機が訪れた。うるま市の東洋言語文化学院のチラシを手に入れるとあらためて両親を説得。両親は娘を国外に送ることを心配して反対したが、最終的にその熱意にほだされた。

 うるま市で2015年10月から学校生活が1年半続いたが、これまで学んだ日本文化とは異なる世界、文化が広がっていた。それでも三線を習い、しまくとぅばも進んで吸収した。日本国内で沖縄を選んだことが良かったと確信する。沖縄生活を楽しむ写真を本国に送り、両親は今では安心し、応援してくれる。

 喜びとともに中学生への英語指導に励む毎日。「夢をかなえるとすごく満足した気分になる」と笑顔で話す。将来は県内でインドネシア料理の専門店を出す新たな夢も芽生えた。

 デヴィさんも司会を務める「毛受敏浩氏講演会 人口激減時代の日本の選択肢~外国人受け入れと沖縄の可能性~」(主催・講演会実行委員会、HIV人権ネットワーク沖縄)は12日午後3時~5時まで県立博物館・美術館で開かれる。入場無料で先着200人。問い合わせは電話098(886)1415。