あす、県内のサッカーファンが注目する試合がある。天皇杯県予選の決勝で、J3のFC琉球に、元日本代表のFW高原直泰さん(38)率いる沖縄SVが挑む。公式戦は初の対決だ

大弦小弦

▼高原さんは南米と欧州のビッグクラブでプレーした数少ない日本人選手。沖縄SVでは代表と監督、選手を兼ねる。設立3年目のことし九州リーグに上がり開幕4連勝している。このレベルに留まらぬ実力は結果が示す

▼迎え撃つFC琉球は格上のJ3で首位と勝ち点4差の6位。目標とするJ2昇格の2位以内に手の届く位置につける

▼地力でFC琉球が沖縄SVを上回るものの、そこには一発勝負の醍醐味(だいごみ)がある。ジャイアント・キリング。下部リーグのチームが強豪を倒すことをいう

▼FC琉球コーチの喜名哲裕さん(41)はその喜びと怖さを知る。那覇西高時代にトーナメントを競り勝ち全国8強を果たしてプロ入り。名将ベンゲル監督に認められて新人ながら名古屋グランパスの天皇杯初Vを味わった。翌年はスタメンで連覇を目指すも初戦で格下にまさかの黒星を喫した

▼プロ・アマが入り交じる天皇杯の楽しみに番狂わせがある。あす勝ったチームが本大会初戦を勝ち抜けばJ1清水と戦う。プライドをかけた一戦の先に沖縄サッカー界の新たな歴史を刻むジャイアント・キリングの予感がする。(溝井洋輔)