沖縄県内3行の2018年3月期決算は、本業である貸し出しの利息収入が伸び悩み、今後の経営方針を改めて問い掛ける内容となった。各行とも売り上げに当たる経常収益を増やしたものの、要因は好景気による貸倒引当金戻入益や償却債権取立益、有価証券の運用益などだった。日銀によるマイナス金利の導入から3年目。厳しい環境は続くとの前提で、各行とも収益確保のための独自色を出し始めている。(政経部・平島夏実)

沖縄県内3行の2018年3月期決算と19年3月期見通し

沖縄県内3行の預金量・貸出金量、貸出金利回り、預金利回りの推移

沖縄県内3行の2018年3月期決算と19年3月期見通し 沖縄県内3行の預金量・貸出金量、貸出金利回り、預金利回りの推移

 貸出金の利息収入は、琉球銀行が前期比1・2%減。沖縄銀行は1・6%増、沖縄海邦銀行は1・4%増。利回りが過去最低を更新する中、各行ともボリュームを稼ぐことで補う努力をしてきたが、大きな収益増にはつながっていない。

 海銀は今後も、リスクのある有価証券の運用より、本業の貸し出し業務に集中する戦略。「大口融資だとどうしても金利が前面に出てしまう。だからわれわれは小口を中心に積み上げる」(上地英由頭取)とし、低下する貸出金利回りを2%台で食い止める構えだ。

 沖銀も、金利引き下げ競争から距離を取ろうとしている。打ち出すのは「非金利価値の提供」(玉城義昭頭取)。スピード感ある融資やコンサル力、担当者の親しみやすさなどで、金利に納得してもらう狙いがある。さらに「もう1つの柱」に預かり資産の窓口販売を挙げる。投資信託だけでなく、おきぎん証券が扱う株式や外国債も提案していくという。

 琉銀は、利回りは下げ止まらないとみて「貸し出しに依存しない手数料収入」(川上康頭取)に挑む。コストをかけて独自開発したカード決済システムの加盟店開拓や、ATMで宝くじを購入できるサービスは利益を出し始めた。18年3月期に約2億円の利益を上げたのは法人向けの手数料ビジネス。事業承継を含めた各種コンサルやシンジケートローンなど、今後も多様化を図る。

 金融庁の有識者会議が「1行なら存続可能」と報告した沖縄。各行は、県内景気は全国より好調として新たな挑戦につなげる考えだ。