翁長雄志知事は8日、県議会の本会議で、名護市辺野古の新基地建設に伴い、国と県が訴訟で和解した内容を与野党の県議に説明した。知事は和解条項に、是正指示の取り消し訴訟の判決が確定した場合、国と県が「判決に従う」と明記されていることへの対応を問われ「これは2件の訴訟に関しての和解だ」と強調。判決に従う合意は、現在争われている埋め立て承認の取り消しだけに適用され、その他の知事権限は行使できるとの認識を初めて明らかにした。仲村未央氏(社民・護憲)への答弁。

 「取り消し」以外の知事権限は、基地建設に伴い、国が工程を変更したい場合に県の承認を求める「設計変更申請」への対応などがある。

 知事は米軍岩国飛行場(山口県)の滑走路移設事業で、8回の設計変更が発生した経緯を指摘。「私は当選以来、設計変更も含め、たいへん厳しいものがあると話してきた。岩国の8回は参考になる。この問題は、なかなか厳しい状況になっている」と述べ、厳しい姿勢で審査に臨む姿勢を示した。渡久地修氏(共産)への答弁。

 自民の照屋守之氏は、判決に従う合意の意味を確認。「新たな裁判で国が負けたら、辺野古移設を断念する。県が負けたら、協力して(辺野古移設を)進めるとの確約ではないのか」とただした。

 町田優知事公室長は「若干、異なる。その訴訟の判決に従うが、あらゆる手法で新基地を造らせない県の方針は変わらない」と説明。新たな訴訟で敗訴しても、新基地建設の容認に転じるわけではないとした。

■菅氏は否定的な見解

 【東京】菅義偉官房長官は8日の会見で、翁長雄志知事が名護市辺野古の新基地建設をめぐる是正指示の取り消し訴訟で県側が敗訴しても、その後の別の裁判では新基地建設阻止へ知事権限が行使できるとの考えを明らかにしたことに、否定的な見解を示した。

 菅氏は「互いに同意した和解条項に従うべきだ」と述べ、是正指示の取り消し訴訟で確定した判決の効力はその後の裁判にも及ぶとの考えを提示。「和解条項を読めば皆さん分かるではないか」と翁長氏の発言に不快感を示した。「負けることを考えて発言したのかと思う」とも述べた。