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はしかを予防するにはワクチン接種しかなく、2度のワクチン接種が有効とされている

はしか予防接種Q&A

はしか患者の年齢分布 2018年5月10日現在

はしかを予防するにはワクチン接種しかなく、2度のワクチン接種が有効とされている はしか予防接種Q&A はしか患者の年齢分布 2018年5月10日現在

 -沖縄県内で麻疹(はしか)の感染者が相次いで確認されているね。今の状況は?

 「3月下旬に県内で4年ぶりに感染者が確認されてから5月10日までに合計94人の患者が確認されたよ」

 「3月中旬に台湾から沖縄本島へ観光で来た30代男性が発熱し、感染力の強い状態で観光地や大型商業施設、飲食店などを訪れ、従業員や客らと接触したことで感染が広がったんだ。その後、職場内や家族間でさらに広がったよ。沖縄を訪れた人が原因で愛知県や東京都、神奈川県でも感染が広がっているんだ」

 -どんな病気なの?

 「空気感染するはしかは感染力が非常に強く、インフルエンザの10倍とも言われているよ。約10日間の潜伏期間があるため感染に気付きにくいのが特徴。感染拡大を防ぐため、『はしかかもしれない』と思って病院に行く場合は、必ず事前に電話連絡してから受診するよう呼び掛けているよ」

 「発症すると、38度前後の発熱やせき、鼻水など風邪のような症状が数日続き、その後に体中に発疹が現れ、39度以上の発熱が数日続くよ。小児が感染すると、脳炎や肺炎などの合併症を起こし、重症化する恐れもあるんだ。県内では1999~2001年の流行時に乳幼児9人が亡くなったんだ。発熱から18日程度で完治するため、今回のうち75人はすでに治癒したとみられているよ」

 -感染しないためにはどうすればいいの?

 「予防するにはワクチン接種しかなく、2度のワクチン接種が有効とされているよ。国内では1978年から定期接種が始まり、90年4月以降生まれの人からは1歳児と小学校入学前の1年の2回、公費助成で無料で受けられる機会があるよ。77~90年生まれの人は定期接種1回世代で、免疫が不十分のため感染する恐れがあるんだ。77年以前生まれの人は定期接種はなかったけど、感染経験のある人が多く、心配は小さいとされているよ」

 「県内の感染者は30代が30人と最多で、次いで20代が23人、40代の13人と続くね。ほとんどがワクチン未接種や接種歴不明、1回の人たちなんだ」

 -90人以上の感染は珍しいの?

 「日本は2015年に、国内の土着のウイルスによる感染がいない状態が3年続いたとして、世界保健機関(WHO)から『排除状態』になったと認められたよ。ただ、それ以降も海外からウイルスが持ち込まれ、感染が拡大した事例が多いんだ。16年には関西空港の職員ら33人が感染するなど165人の患者報告があり、17年も189人の感染報告があるよ」

 -県や市町村の対応は?

 「県は定期接種対象の子のワクチン接種の徹底を呼び掛けているよ。生後6~12カ月の子のワクチン接種を全41市町村との協力により、6月ごろまで無料で受けられるようにしたんだ」

 「厚生労働省と県内へのワクチンの安定供給を調整したことで在庫は十分にあるんだって。定期接種や助成の対象外の人は全額自己負担になるよ。生産量が多いはしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)は1回約1万円。自治体によっては独自の助成制度もあるんだ」

 -観光への影響も心配だね。

 「県によると、5月11日までに旅行のキャンセルが687件5244人に上っているよ。台湾からのキャンセルが352件423人、香港が14件726人と目立つほか、国内客のキャンセルも多いんだって」

 「県のホームページに『観光客向けQ&A』を掲載し、ワクチン接種を確認してから来県するよう呼び掛けているよ。妊婦はワクチン接種ができないため、2度のワクチン接種を終えていない妊婦には、母子の安全・安心のため、流行終息後の来県を促しているよ」

 -流行はいつまで続きそうなの?

 「新たな患者数が少なくなっていることから、県は8日に『ピークは過ぎ、終息へ向かっている』との見方を示したよ。ただ、その後も患者が数人出ていることから注意を払う必要はあるね。県は今後の感染防止のためにも、感染の恐れのあるワクチン接種歴0~1回の県民へのワクチン接種を呼び掛けているよ」(社会部・石川亮太)