沖縄県嘉手納町出身の女優・沖直未さん(56)が、読谷村高志保で居酒屋「マジュン・リッカ」を営んでいる。店は東日本大震災復興地の海産物と村内産などの県産食材を使用する。「北と南の食材融合がコンセプト。食や芸能の交流ができれば」と意気込んでいる。

「復興地の味を知ってもらいたい」と話す沖直未さん=読谷村高志保

 沖さんは震災後、たびたび被災地を訪れて舞台公演やボランティア活動をしてきた。被災者の「忘れられることが一番怖い」という言葉が心に残り、被災地の豊富な食材を知ってもらおうと、沖縄での居酒屋開店を決めたという。

 店は沖さんが高校時代を過ごした読谷村を選んだ。沖縄の伝統文化を大切にしたいと、築62年の古民家を改装し、2014年5月に開店した。東北産の海産物は、現地の知り合いが仕入れて郵送してくれる。県産食材の豚肉やハンダマ、きのこ類を使用した鍋料理もある。

 店は地域住民や観光客でにぎわい、交流の場の一つになっている。友人の林家三平さんによる落語会や高志保青年会のエイサー演舞イベントなども開催した。

 ことしからは女優業も再開し、県内で芸能などを学ぶ若者たちの支援も行う予定。また、飲食業で働く人材も育成していきたいという。今後も復興地との関わりを持ち続け、現地の食材を仕入れていきたいという沖さん。「東北の食材ファンも増えてきた。人と人をつなぐ店づくりができれば」と笑顔で話した。