【宮城県で比嘉太一】東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県南三陸町の入谷(いりや)小学校で沖縄から贈られたヤギが大切に育てられている。母ヤギの「キュウ」と子ヤギの「シーナ」の親子。子どもたちは「フサフサがたまらない」と声を弾ませ、世話を楽しんでいる。

南三陸町の子どもたちとたわむれるヤギの親子キュウ(左)とシーナ=10日、宮城県南三陸町・入谷小学校

 垂れ耳で毛色が白黒のキュウは2011年に中城村の「はごろも牧場」(新城将秀代表)から贈られた。名前は琉球の「球」から取り、入谷小の子どもたちがつけた。5年間で計5頭の子ヤギを出産した。シーナは約10カ月前に生まれた雌。現在、2頭とも妊娠中で来月に出産予定だ。

 祖父が伊良部島出身で同小教諭の仲松晃さん(43)が「いとしいヤギは震災で傷ついた子どもたちの笑顔を取り戻し、心のケアにもなる」と考え、新城代表にメールを送ったのがきっかけだった。

 震災から5年。子どもたちだけではなく地域の人たちも世話するようになり、みんなの癒やしとなっているという。

 同小6年の佐藤瑠輝君(12)は「ふんもたくさんするけど、しっかり片付けてあげている。信頼関係は誰よりも深いよ」と自信たっぷり。同年の阿部有希さん(12)は「後輩たちに引き継いで大切に育てていきたい」と笑顔をみせた。