アメリカンフットボールは米国で最も人気あるスポーツの一つ。プロリーグの優勝を決めるスーパーボウルがある2月の第1月曜、特に試合時間と重なる午前中は沖縄でも毎年、米軍機の離発着がまばらになる。爆音に悩まされる県民の立場からは毎日スーパーボウルマンデーならいいのに、と思うほどだ

▼そんな多くの人を魅了する球技で信じがたいラフプレーが起きた。パスを投げ終えて無防備な関西学院大の選手に、日本大の選手が故意としか思えないタイミングで背後からタックルし、けがを負わせた。一歩間違えば命に関わる悪質な反則だ

▼戦術が重視される競技の性質上、一選手の暴走とは考えにくい。退場させられた選手を仲間がたたえる場面はチームの容認ムードを感じさせる

▼監督の指示との証言があるが、日大は否定する。それならなぜ大学の常務理事でもある監督は公の場で説明しないのか

▼選手にも責任はある。誰かに強いられたプレーだとしても、大学生が疑問も抵抗もなかったのか

▼日本の体育会系の部活動の一部に今も残る指導者や先輩に絶対服従の体質は戦前の軍隊式の名残といわれ、思考停止の選手を生み出す一因でもある。上から命令されれば何でもする人を育てるのがスポーツの目的ではない。人間の営みを豊かにする文化として捉え直す必要がある。(田嶋正雄)