ファッション雑誌はもちろん、日本テレビの「ヒルナンデス」にも定期的に出演し、3月24日に初の著書も発売される知念美加子さん。当コラムでは、スタイリストアシスタントのハードな仕事ぶりについて書いて頂いています。今回は、沖縄でのイベントに出席していた知念さんにインタビュー! センスのない人がアシスタントに応募してきた場合は採用するのか、どうやって流行はどうしかけているのかなどなど聞いてきました。(聞き手・與那覇里子)

沖縄に里帰りして訪れた赤瓦屋根の家。「将来こんな家もいいなぁ。。」とインスタグラムにアップ

審査員を務めた沖縄の美容イベント終了後。モデルのように、色んなポーズを決めてくれた

知念さん初のファッションブック「STYLIST」(セブン&アイ出版)。3月24日発売

沖縄に里帰りして訪れた赤瓦屋根の家。「将来こんな家もいいなぁ。。」とインスタグラムにアップ 審査員を務めた沖縄の美容イベント終了後。モデルのように、色んなポーズを決めてくれた 知念さん初のファッションブック「STYLIST」(セブン&アイ出版)。3月24日発売

 ―前回のコラム「辞めていくアシスタントたち」が非常に読まれています。

 アシスタントになるための情報を求めているんでしょうね。アシスタント情報はそもそも公にはあまり出ません。ない理由は、スタイリストになってみて分かったんですが、仕事へのとらえ方が人それぞれで、アシスタントはこうあるべきだというのが言えないんです。前回のコラムは自分の経験を基に書いていますが、私の視点が全てではありません。もしかしたら、アシスタントはハードな仕事じゃないと思っている人もいるかもしれません。

 コラムを読んで、私のアシスタントを志望してきた子もいました。「やる気があります」と。でも、辞めちゃいました。これまで何度かアシスタントを採用しましたが、その言葉は正直信じていません。実際にやってもらって、続きそうだな、この子だったら任せられるなって感じることが出来ないと一緒にやっていけないなと思っています。

 ―センスがないアシスタントが志望してきた場合は採用するのでしょうか。

 センスはあとからついてきます。もちろん、その時の服装も見ますが、センスは見て学べるものです。アシスタントに就くことによって、私や周りのヘアメイクさん、カメラマンさん、編集さんの仕事や考えを直で見る・感じる事で視野が変わっていくので。

 例えば、アシスタントになる前までは、雑誌を読んでも、このコーディネートはかわいいなとか、自分の好みだなという感覚的なものだと思います。でも、スタイリストはそのかわいいと思ってもらえるものを作る立場なので、自分の中でどうやったら可愛いと思われるかという今まで見る側だった時と逆の視点になるのです。そうすると、必然的にセンスは高まっていきます。

 世の中が求めてる可愛いを、自分のフィルターを通したスタイリングを発信していく。それがスタイリストです。それが出来ないとスタイリストにはなれません。そういう考え方もアシスタントになってからじゃないとわからない事だと思うので、センスはアシスタントの時に学ぶ事です。だから、私がセンスが無い人を採用しないという事ではなく、センスを磨く力を持っている人がスタイリストになれるのだと思います。

 ―最近、どの雑誌も全体的に地味な色でまとまっているように感じます。その中で、どのようにスタイリングを差別化させていますか。

 それは、雑誌業界も悩んでいることなのかもしれません。10年ほど前は、「赤文字系」「青文字系」「ギャル系」などの雑誌の色があったんですが、最近は雑誌ごとのトレンドが代わり映えしません。一方で、売れる服と売れない服の差が激しくなってきています。そこも含めて、コーディネートを打ち出す私たちが頑張らないといけないところかなと思っています。

―そんな中で、時代にあったトレンドはどう考えて提案していくんでしょうか。

 トレンドは世界で行われているコレクションから発信されることが多いです。スタイリストはじめ、ファッション業界の発信する人たちがコレクションに足を運んだりネットで見たり、その情報を見てショーをどう受け取るかから始まります。わたしたちが受け取ったファッションを、たくさんの人が着やすいようにスタイリングを考えトレンドを作っていきます。

 トレンドを作る段階で、今年はこういう“気分”。というのが出てくるんですが、それはトレンドを作る作業を繰り返していくことで出てくる感情かな。

 ―アシスタントになってどのくらいの時間で“気分”がつかめるものなのでしょうか。

 自分で気分が掴めた!とは本人も思わないだろうし、私もいつごろから分かってきたと確証を持ったとはないんです。私の考えるファッションが正しいかっていう自信もないし、正解もないんです。

 例えば、私がシンプルで無地でヌケ感のあるノームコアがトレンドだ!と言ったとしても、その逆の柄ばっかりの派手なファッションが流行ることもあり得ます。それはどちらも不正解ではなくて、ただ単に私の気分とみんなの気分が合わなかったというだけです。でも、アシスタントの時にそういった“気分”を読み取る力をつけて、トレンドの打ち出し方がを学ぶ事が、センスがあるに繋がるのかと思います。

―ファッションに自分の色を出すためには、何をどう育んでいったらいいのでしょうか。

 自分を知ることが、一番早いと思います。私はこれまでたくさんのコーディネートをしてきました。でも、元をたどれば好きなものは変わっていないし、基本のベースがあります。私は白黒デニムのアイテムをクールに着るのが好きなんですが、たまにピンク色の洋服も着るし、赤も好きだし、ガーリーな格好もしたいし。白黒デニムとまったく違う服を着ても、ベースをもっているからブレない自分らしさが出せるのだと思います。

 自分は何が好きかということを知れば、それが自分の作品に出てきます。この洋服にこの靴は合うのか、合わないのか、どうしようと迷った時、そこで選ぶものは、自分が好きなものだから選ぶし、自分の好きなものを知ることが自分の色を出すことにつながっていくんだと思います。