親の虐待から逃れるため家を飛び出した子、少年院を出ても帰る場所のない子、家にいるのが嫌で夜の街をさまよう子…。

 そんな子どもたちの緊急避難場所として、NPO法人が運営する「子どもシェルターおきなわ」が4月に開所する。

 制度のはざまに陥りやすい10代後半の子どもたちを対象に、支援の穴を埋めようとする取り組みである。

 沖縄弁護士会の弁護士らが中心となり設立準備を進めてきた。さまざまな理由から「今夜寝る場所がない」という危険な状況にある子に接し、受け皿づくりの必要性を感じていたからだ。

 シェルターおきなわは、逃げ場が少なく性被害を受ける恐れがある少女を対象に、定員6人でスタート。常駐するスタッフのほか、医療や福祉、心理の専門家などが連携して支援にあたる。一人一人に弁護士が付き、親権者との交渉も担う。

 虐待などで家庭で暮らすことができない子どもを保護する施設には児童相談所の一時保護所があるが、児童福祉法の対象から外れる18歳以上は入所できない。性的虐待など深い傷を抱える子は、施設での集団生活になじめないケースも多い。

 頼れる家族がいないといった養育環境の問題は、深夜徘徊(はいかい)が多いなど沖縄の深刻な少年非行の背景としても指摘される。

 家庭で養育される権利を奪われ、制度のはざまで苦しむ子どもたちを救うシェルターの活動に期待する。

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 こどもシェルターは2004年に東京で設立された「カリヨン子どもセンター」を皮切りに、沖縄で14カ所目。

 運営資金は公的支援や寄付でまかなっているが、現在3カ所の施設が休止に追い込まれるなど安定的財源の確保が課題となっている。

 今月6日、那覇市内で開かれた「子どもシェルターおきなわ設立記念シンポジウム」で講演したカリヨン子どもセンターの坪井節子理事長は、「独りぼっちじゃないんだよ」と伝えることの大切さと、「いつも子どもを真ん中において、関係する機関でスクラムを組んで対応する」重要性について語った。

 カリヨンではシェルターで2カ月ほど過ごした後、家に戻れた子は5人に1人という。そのため就労し自立を目指す自立援助ホームを次の居場所として整備した。

 沖縄でもシェルター退所後の見守りや支援機関との連携は待ったなしとなる。 

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 4月からスタートする県子どもの貧困対策推進計画の素案には「安全・安心な子どもの居場所の確保」が記されている。

 子どもたちに温かい食事とほっとできる場所を用意する民間の「子ども食堂」の取り組みは急速に広がっている。

 夜1人で過ごす子に居場所を提供し、ボランティアが勉強をみたり、話し相手となる「トワイライトステイ」の必要性も認識されつつある。

 支援のとりこぼしをなくすためにも、地域で子どもたちを支える場がもっと増えてほしい。