県内で4年ぶりにはしかの感染が確認された。終息に向かうものの一昨日までの患者は99人。2002年度以降で最も多いが、医療関係者は初動が功を奏してこの規模に食い止めた、とみる

▼台湾からの観光客が熱を出して中部病院を救急で訪れたのは3月19日。初めに診た研修医がはしかを疑って感染症に詳しい医師に引き継ぎ、早期確認につながった

▼病院は救急外来で接触した可能性のある全員をすぐにリストアップ。保健所はホテルや商業施設など男性の足取りを丹念に調べて二次感染に備えた。対策はスピードが命である

▼もし男性が数日早く受診していたら発疹は認められずに医療機関は解熱剤だけで帰したかもしれない。そのまま観光を続け空港を使って帰国したら…。発生源が特定されぬまま県内で同時多発的に広まった恐れもあった

▼観光立県の沖縄は人の出入りが多いが、水際対策には限界がある。男性を診た高山義浩医師は大切なことは「県民の防御力を上げること」だと言う。予防接種率を高めることである

▼1998~2001年度の流行時は数千人が感染し乳幼児9人が死亡した。守れるはずの命が失われた。今回は20~40代の発症が多い特徴もみられた。予防接種は他人に感染させないことでもある。さらなる拡大が紙一重だった事実を重く受け止めたい。(溝井洋輔)