最新刊のエッセー集『陽をあびて歩く』(網谷厚子著)を繰り返し読んでいると、ふと、記憶の底から聞こえる声があった。 《ひとは必ずしもその願うところに住めるわけではない》。 伊藤静雄の言葉だ。かくして人は、故郷での常住を望みながらも、やむを得ず、他郷での暮らしを強いられることもあるのだ。

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