外国人観光客のレンタカー利用を巡って深刻な問題が浮上している。

 中国人観光客が、不正の可能性があるフィリピンの国際免許証を使って、レンタカーを借りたケースが確認されたのだ。

 本紙が直接確認した30代の中国人女性の場合はこうだ。

 沖縄旅行を前にした2016年12月、中国の大手ネット通販サイトを通じてフィリピンの国際免許証が入手できることを知り、必要書類を送信した。1カ月ほどで国際免許証が沖縄の滞在先に郵送されてきた。スポーツカーを借り、本島1周の旅を楽しんだという。

 外国人が日本で運転できるのは日本の免許証か、道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に基づく国際免許証などを持っている場合に限られる。中国は同条約に加盟しておらず、中国の運転免許証も日本では使えない。

 国際免許証の発行国と国籍が違う場合、発行国への渡航歴を満たしているか確認するレンタカー業者もあるが、統一されているわけではない。中国人のあやふやな対応に貸し出しを断った業者もいる。だが国際免許証が不正かまで判断できないのが現状だ。

 偽造免許証で運転した場合には、日本国内では無免許運転に相当し、危険だ。

 警察、県、レンタカー業界は連携して早急に実態把握に取り組むとともに、対策に乗り出すべきだ。国境をまたぐ問題であり、中国、フィリピンなど関係国の協力を仰ぐ必要もある。

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 県経済をけん引する観光は17年度、入域客数が957万9千人に達した。5年連続で過去最高を更新している。

 押し上げているのは外国人観光客で、台湾、中国本土、韓国、香港の近隣の国・地域である。

 観光客の形態は近年、団体ツアーから個人旅行にシフトする傾向にある。

 それに伴い外国人観光客のレンタカー利用も急増。全国レンタカー協会によると、県内では16年度に20万6千台に達した。

 県の16年度外国人観光客実態調査によると、県内旅行中に中国人観光客の11%がレンタカーを利用したと答えている。

 中国人が条約加盟国のフィリピンや韓国などに滞在し国際免許証を取得することは可能である。

 今後の県の調査では第三者が借りたレンタカーに中国人が同乗したのかなど利用の実態を掘り下げてほしい。

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 外国人観光客が増加することによって、旅行保険加入率の低さとも相まって医療費未払い問題や、レンタカー利用増加で慢性的な都市部の交通渋滞に拍車が掛かり、交通事故も年々倍増するなどこれまで想定していなかった問題を引き起こしている。

 県は21年度までに観光客1200万人、うち外国人客は400万人を目標に掲げる。個人の好みに合うような商品をいかに開発するか。多言語による交通安全環境をいかに充実させるか。国際的な観光立県を目指す沖縄の関係機関が一丸となって対応できる体制を築きたいものである。