沖縄県が4月末に公表した、2017年度「しまくとぅば県民意識調査」で、過去2度の調査と比較し、しまくとぅば使用者の数が伸び悩んでいる。普及推進計画では、22年度には使用者を88%にする目標だが、このままでは達成はおぼつかない。そもそも計画の公表時から、普及に取り組む団体は「あいさつ程度」を含めた数値を積むことが継承なのかと疑問視していた。3度の調査が浮き彫りにしたのは県が、長年活動してきた民間団体と協力関係を築けていない現状だ。(特報・謝花直美)

しまくとぅば意識調査結果

県うちなぁぐち会の桑江常光会長

しまくとぅば連絡協議会のあらぐしく米子副会長

名護市文化協会しまくとぅば部会の上原仁吉事務局長

しまくとぅば意識調査結果 県うちなぁぐち会の桑江常光会長 しまくとぅば連絡協議会のあらぐしく米子副会長 名護市文化協会しまくとぅば部会の上原仁吉事務局長

 「使用するのが『ハイサイ』だけでいいのか。調査を中身のあるものにするため、当初から意見を述べてきたが」。うちなぁぐち会の桑江常光会長は指摘する。民間団体の声に耳を傾けず調査を続けても「このままでは目標も状況分析も誤るのでは」と懸念する。普及センターや広報活動を一定評価しながらも、市町村ともっと連携が必要だと強調する。

 同会は中部で、学校のしまくとぅばクラブを長年指導している。「地域での活動を支援してほしい。報奨が欲しいのではない。だが1枚の紙や1本のペン、交通費も全て自己負担だ」。思いだけでは乗り切れず、老後も働くために辞める人も少なからずいる。

 名護市文化協会しまくとぅば部会の上原仁吉事務局長は、学校への浸透が課題と話す。「地元でも小学校のクラブ活動があったが、いつの間にかなくなった。教育庁がどれぐらい本気を出すか」。しまくとぅば事業を推進する知事部局と教育庁の連携を期待する。

 しまくとぅば連絡協議会のあらぐしく米子副会長は「あいさつ程度を含めれば、県が目標とする88%の数字は達成するのでは」と考える。だが、「それで終わるぐらいのものを目指しているのではない」と、計画の在り方へ異論を挟む。

 連絡協は、各地で地道に活動を続ける民間団体の声を受け、県に対して、教育課程への導入、講師養成や教材開発を担う「しまくとぅば教育センター」の設置を要請し続けてきた。

 17年末、県はしまくとぅば普及センターを開設したが講座開催など、民間団体の活動と重なる部分も多い。「センターの顔が見えない。草の根で支えてきた人々の声を大事にして、一緒にやっていくべきではないか」と疑問を呈する。