沖縄県大宜味村喜如嘉で暮らし、重要無形文化財「芭蕉布」保持者で人間国宝の平良敏子さん(97)が15日、フランスの民間テレビ局「TF1」のドキュメンタリー番組の取材を受けた。平良さんは「取材を受けるよりも、良い物を作ろうと芭蕉布を織っている時の方が緊張する」とほほ笑みながら、カメラの前で人間国宝の技を披露した。

フランスのテレビ局の取材を受ける平良敏子さん(右)=15日、大宜味村喜如嘉

 番組内容は、沖縄の長寿を取り上げる25分間のドキュメンタリーで、平良さんのほかにも村内に住む高齢者の生活を追った。

 取材したオーレリアン・シャパラン記者によると、フランスでは62歳の定年を過ぎた後も仕事を続ける人は珍しく、平良さんのように生涯現役の高齢者は、フランス国民にとって興味深い存在だという。

 取材と撮影は芭蕉布会館や平良さんの自宅であり、カメラの前で糸を紡ぐ様子を見せ、芭蕉布が織り上がるまでの作業工程を説明。戦後の沖縄は米軍の占領下で、米国人の趣向に合うよう芭蕉布で作ったテーブルクロスやクッションなどの商品を開発した話も披露した。義娘で喜如嘉芭蕉布事業協同組合の平良美恵子理事長のサポートを受けながら、取材は進んだ。

 取材後、「耳が遠くなって、あんまり話せなかった」と照れ笑いを浮かべた平良さん。少し疲れた表情を浮かべながら椅子に腰掛けていたが「今も現役で毎日、朝から夕方まで仕事をしていますよ」と言葉を紡いだ。