沖縄県立芸術大全学教育センターの藤田喜久准教授と北海道大大学院理学研究院の角井敬知講師ら研究グループがこのほど、下地島の海底洞窟で新属新種のタナイスを発見し「シモジチヂミタナイス」と名付けた。

下地島で発見されたシモジチヂミタナイス。Aが背面、Bが左側面(北海道大大学院理学研究院の角井敬知講師提供)

腹部に足を持つネソタナイス。シモジチヂミタナイスは腹部に足がない(北海道大大学院の角井敬知講師提供)

下地島で発見されたシモジチヂミタナイス。Aが背面、Bが左側面(北海道大大学院理学研究院の角井敬知講師提供) 腹部に足を持つネソタナイス。シモジチヂミタナイスは腹部に足がない(北海道大大学院の角井敬知講師提供)

 タナイスは甲殻類に属する生物。これまでに発見されたタナイスと違って、腹部に足がないのが特徴。論文は4月下旬、生物学などの総合誌「PeerJ」に掲載された。

 藤田准教授らは昨年9月、下地島近海の水深約35メートルに入り口がある海底洞窟(通称・悪魔の館)で生物調査を実施。入り口から約80メートル、水深約18メートルの地点で、洞窟の壁の隙間などにたまった泥を採取した。

 角井講師が泥に混じっていたタナイスを顕微鏡で観察した。タナイスは頭部、胸部、腹部で構成されるが、見つかった体長約1・2ミリの雌個体が、腹部の短さから日本初発見のチヂミタナイス科に属すると分析。さらに腹部に足がないことから新属新種と判明した。

 研究グループはアシナシチヂミタナイス属を新設し、新種をシモジチヂミタナイスと名付けた。

 角井講師は「このような珍しい種が下地島の海底洞窟にいるとは驚いた。他の標本もあるので分析を続ける」と話した。