ベンチャー企業のチャレナジー(東京)は、台風などの強風時でも発電できる風力発電機の実証実験を8月から石垣市内で始める。出力は10キロワットで、制御システムなどを琉球大と共同研究する。2020年をめどに台風の多い東南アジアなどに出荷する計画。沖縄は実験だけでなく、アジアに近い地理性を生かし、部品供給の拠点としての展開も検討している。(政経部・照屋剛志)

チャレナジーが南城市で実験している風力発電機(同社提供)

 同社の風力発電機は、地面と垂直の三つの円筒が風車の代わりに回転する「垂直軸型マグナス風力発電機」。突風を受けても円筒の回転数を抑えることができ、台風時でも発電を続けることができる。16年から南城市で出力1キロワットの発電機の実証実験を実施している。

 石垣市で実験する10キロワットの発電機は全長18メートルで風車にあたる円筒は高さ10メートル。風速40メートルでも耐えられる設計という。琉大とは風車の動きを制御するモーターシステム、円筒部分を支えるアームの強度を研究している。

 早ければ20年までに実証実験を終え、実用化させる方針。台風などの強風が多く、小規模で発電コストの高い離島地域を抱える沖縄や、フィリピンなどの東南アジアへの展開を目指している。

 南城市の実験では、デジタル衛星放送の「スカパー!」を運営するスカパーJSATと協力して、風力発電機で発電した電気を使って衛星通信システムを稼働させる実験も開始。風力発電機の操作やデータ収集を遠隔で実施する。

 石垣市でも衛星通信の実験を実施する。発電機を独立して稼働させることで、通信環境の整備が行き届いてない離島や山間部での通信システム構築にもつなげたい考え。

 チーフストラテジストの水本穣戸氏は「沖縄で得た知見を生かしてアジアへの展開を目指したい」と話した。