「強い憤りと、やるせなさをもって抗議する」。翁長雄志知事はこの言葉を2度繰り返し、ローレンス・ニコルソン在沖米軍四軍調整官の目をにらむように見詰めた。米兵暴行事件で謝罪するため16日、県庁を訪れた在沖米軍トップからは、被害女性への謝罪の言葉は最後までなく、沖縄と米軍の認識の落差の大きさだけを印象付けた。

ニコルソン在沖米軍四軍調整官(左から2人目)の謝罪面談を終え、厳しい表情で退室する翁長雄志知事(右)=16日午後、県庁

 「着任して半年間、大きな事件もなく過ごしてきた」「われわれにとって非常に恥だ」。ニコルソン氏の言葉には、被害女性に対する言及はなく、人ごとのように「遺憾」という言葉を何度も使った。

 威圧感漂う軍服姿と口調。その端々からは、まるで「事件の被害者は米軍側」とでも言いたげな印象さえ受けた。

 「今回の事件は、県民に過去の不幸な事件を想起させる悪質なものであり、激しい怒りを禁じ得ず、強く抗議する」。知事が読み上げた抗議文。通訳を通して聞き取ったニコルソン氏は、口を真一文字に結び、軽く数回うなずいていた。

 約20分間の対談中、ニコルソン氏が強調したのは「良き隣人」という言葉だった。これに対し、知事は戦後70年間も米軍の事件事故が続いていることを挙げた上で「何十回、何百回もこういう形で抗議しているが、一向に良くならない。良き隣人と言う言葉が、実行された試しがないというのが、正直な気持ちだ」と強い口調で語った。

 そして、知事が問題の根本として挙げたのは、戦後70年を経ても変わらない沖縄の米軍基地の存在だった。「日本の面積のたった0・6%に73・8%の米軍施設がある。ずっと置かれていることに一番大きなことがある」