「アジサイばあちゃん」で親しまれ、4月に100歳で亡くなった饒平名ウトさんの「よへなあじさい園」(沖縄県本部町)が今年も見頃を迎えている。ウトさん亡き後は、息子や孫家族が総出で運営。約40年前に2株の植樹から始まった“ブルーのじゅうたん”を、みんなでしっかりと受け継ぐ決意だ。22日現在、約1万株の開花はほぼピークで、見頃は6月初旬ごろまで。園は6月30日までオープンする。(北部報道部・城間陽介)

ウトさん亡き後のあじさい園を運営する饒平名家の人たち=22日、本部町伊豆味・よへなあじさい園(城間陽介撮影)

 次男の知孝さん(69)によると、今年の梅雨は雨が少なくアジサイの花は例年より小さい。花びらが所々白く変色しているのは、「日焼け」によるものという。

 知孝さんは週2回、浦添市から通う。「アジサイは小まめな管理が大事。おふくろが毎日こつこつやっていた大変さが身に染みる」と話す。生前のウトさんはきちょうめんでチェックが厳しく、複数の指示が同時に飛んだりもしたという。「喜んでくれているといいけど、天国でもぶつぶつ文句を言っているんでしょうね」と苦笑いした。

 孫の奥間千秋さん(44)は受け付け担当で週4日、沖縄市から通っている。「祖母がいないのは寂しいけど、来た人が笑顔で声を掛けてくれる。『おばあちゃんはすごいものを残してくれたね』って」。

 園での手伝い経験が長く、2代目のリーダー的存在の三女仲村洋子さん(74)は毎日の草むしりを欠かさず、園全体に目を配る。「もう草との戦いですよ」と笑った。

 22日はウトさんの六十七日忌。ウトさんが残した言葉は「花を見に来る人でワジャンカー(しかめ面)する人はいない」だ。来訪者の中には引きこもりや、気持ちがふさぎ込んだ人もいたが、花を見て涙を流し、後に回復したと聞かされる。

 知孝さんは「ここに来た人はみんなありがとうって言う。普通は逆なのに。だから、簡単には園をやめられない」と決意を示した。