世界自然遺産登録を目指す「奄美・沖縄」について、環境省が推薦をいったん取り下げる見通しとなった。今月初め、国際自然保護連合(IUCN)が登録延期を勧告してから3週間近く。地元自治体にとっては「想定内」の展開で、「課題解決に向け、時間的なゆとりをもらった」と冷静に受け止める声が大勢だ。

朝焼けのやんばるの山々=2017年11月6日、国頭村

 西表島がある竹富町の通事太一郎政策推進課長は「政府として、より確実な登録方法を考えて判断したのなら当然従う」と説明。「さまざまな課題をクリアするために頑張ってきたが、地元の不安を払拭(ふっしょく)するため、地方行政にできることを町民と一歩ずつ進めるための時間だと前向きに考えたい」と述べた。

 やんばるの森を抱える宮城功光大宜味村長は、環境省から正式な情報はないとしつつ「政府の判断を受け止めるしかない。IUCNからの指摘を整理して、北部3村はこれまで通り登録に向けて協力して取り組んでいきたい」とコメント。宮城久和国頭村長は「環境省から話はなく、取り下げの『検討』という範囲の情報ではコメントできない」と慎重な姿勢を示した。

 ジュゴン保護キャンペーンセンターの吉川秀樹さんは、世界自然遺産登録に向けては「なぜ『登録延期』の結果になったのか、環境省、県、地元自治体、(学識経験者らでつくる)科学委員会が住民にしっかり説明することが重要だ」と強調。県に対し、登録の可否を審査する中東バーレーンでの世界遺産委員会に出席した上で「推薦地近くにある米軍北部訓練場の問題を、国際舞台でしっかり議論すべきだ」と注文を付けた。