沖縄県浦添市内間で居酒屋「ゆうづき」を経営する知念司さん(39)が9日、東京都内であった全国の料理人が腕前を競う第29回全国日本料理コンクール(社団法人日本料理研究会主催)の郷土料理部門で、最高賞に当たる農林水産大臣賞に輝いた。決め手は、ある夜に見た夢。ゴーヤーを料理する自分が現れたことで、ゴーヤーづくしの懐石料理9品で闘う決心をしたという。

ミンサー織や特製の琉球漆器で飾った知念司さんのゴーヤー懐石

全国日本料理コンクールで五つある最高賞を全制覇した知念司さん=15日、浦添市内間の「ゆうづき」

ミンサー織や特製の琉球漆器で飾った知念司さんのゴーヤー懐石 全国日本料理コンクールで五つある最高賞を全制覇した知念司さん=15日、浦添市内間の「ゆうづき」

 知念さんは「その時代時代の新しい料理がある」との信念から同コンクールに出場し、ことしで8回目。毎回郷土料理部門を選び、豚肉や県産魚、ふるさと伊江島の野菜を取り入れてきた。5種ある最高賞のうち、これまでに4種を計6回受賞。どの最高賞を取ろうと狙えるものではないが、今回の農林水産大臣賞受賞で全最高賞を制覇した。

 「顔なじみの審査員には『何度も最高賞を取ってるんだから同じもの作っても無理やで。もう十分やろ』って言われました」と知念さんは笑う。

 伊江中学校を卒業後、大阪と京都で計10年修行した。26歳で店を持って以来、器を見たりドライブをしたりしている間に自然と浮かぶメニューを“ネタ帳”に書き留めてきたという。

 そして今回の全国大会。夢でゴーヤーを料理する自分を見て、懸けようと思った。ゴーヤーの緑が生きるよう、ウコンの黄色と合わせて俵揚げに。赤マチの赤と合わせてちらしずしに。汁物、小鉢、焼き物など計9品の日本料理に仕立てた。

 「ゴーヤー一つでこれだけ作れるっていうことが証明できたと思うんです。チャンプルーだけじゃない」

 とはいえ、懐石しか作れないような料理人にはならないと知念さんは言う。「弁当だって500円でと頼まれれば作ります。どんなお客さんにも合わせるのが本当の料理人だと思うので」

 知念さんが全国日本料理コンクールに出品したメニューの一部は、「ゆうづき」のコース料理で提供している。問い合わせは同店、電話098(879)5570。