【今帰仁】60歳の手習いで三線を始め、カジマヤーを迎える今も村文化祭に出演するお年寄りがいる。今帰仁村渡喜仁の小那覇ツルさん(95)。三線は夫の故安友さんの形見だ。

夫の故安友さんの三線を手に背筋を伸ばす小那覇ツルさんと次男の妻郁子さん=今帰仁村の自宅

 きっかけは公民館で開かれた三線教室。「安友が家宝として買ったもの。一生懸命稽古したよ。何年かしたら残ったのは5人だけになっていた」と振り返る。今も村の三線クラブで週1回、練習を続ける。

 名護市伊差川出身。20歳でタバコ農家の安友さんと結婚した。「難儀して育てたタバコは上等。おかげで子どもも大学を出せた。安友は、じんぶん(知恵)で仕事をしていた」と述懐する。

 安友さんは75歳で亡くなったが、子ども3人、孫17人、ひ孫28人の子宝にも恵まれた。次男の安夫さん(68)は「若い時は自転車で出掛けていた。ことしはカジマヤーだから、まぎすーじ(豪華なお祝い)をしてあげる」と見守る。

 発表会などに足しげく通う安夫さんの妻郁子さん(65)は「幕開けする時の緊張感は私にも伝わってくる。周囲から素晴らしいねと言われたら私が褒められたような気がします」と笑う。

 小那覇さんは「なんでも一生懸命やることかな。私はたくさん恵まれた。神様にも健康にも恵まれた。だから三線ができる。カジマヤーをしてくれるというからうれしい」。安友さんの三線を見つめた。(玉城学通信員)