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  • 陸上自衛隊配備計画で石垣市議会は「中止」の請願を不採択にした
  • 配備されるミサイルがどう抑止力となるのか具体的議論はなかった
  • 公民館長は「反対無視は許せない。撤回に向けあらゆる行動を取る」

 【石垣】石垣島への陸上自衛隊配備計画で、石垣市議会(知念辰憲議長)は18日、市民団体と候補地近隣3地区が提出した「計画中止」を求める請願と陳情を不採択にした。安全保障を軸にした与野党の議論はかみ合わず、最後は多数を握る与党が主導して採決へ。一方で「配備推進」の請願は継続審議としており、「反対」意見を切り捨てた市議会に地元住民から反発の声が上がっている。(八重山支局・新崎哲史)

自衛隊「計画中止」を求める請願の採択に賛成し起立する野党議員と、不採択で着席する与党議員=18日、石垣市議会

 「独自ルートで調べたが、防衛省にも細かい計画はないようだ」。11日の市議会総務財政委員会で与党議員の1人は、あっさりと情報不足を認めた。一方で安全保障をめぐる与野党の議論は熱を帯びる。中国が南沙諸島で軍事拠点を築く事案から「尖閣諸島も危険だ」と強調する与党議員は「中国とは話し合いはできない」として、先島の防衛強化を強調した。

 しかし、石垣島へ配備予定の地対艦、地対空ミサイルが中国に対しどのような抑止力となり得るのか、具体的な議論は無し。唯一、仲間均議員が「ミサイルの射程は100キロ。170キロ離れた尖閣の防衛はイージス艦が担う。地上にもミサイルがあればより抑止力は高まる」と述べたが、射程距離外の尖閣を守るためになぜ石垣にミサイルが必要なのか、疑問符も付いた。

 地元3地区の嶺井善・於茂登公民館長は議会を傍聴し「議員の個人的な考えだけで中身のない議論。地元の反対の声を無視したことは許せず、今後も計画撤回に向け、あらゆる行動を取る」と語気を強めた。

 同市議会は2013年、新火葬場建設予定地の住民が「建設反対」を訴えたことから市の予算を削除し「白紙」に戻した。昨年の新庁舎建設問題でも策定委員会が「現地建て替え」を答申したが「民意を反映していない」として自ら住民投票の実施を決め、「高台移転」に導いた。

 これらは与野党が一致して「市民目線」に立った成果。だが自衛隊配備計画について与党議員は地元住民の声より、自身の「政治姿勢」を優先させた。本会議終了後、野党議員は緊急会見を開催。宮良操議員は「国からの情報もない中、一方の声を切り捨てるのは議会の権能を果たしていない。与党が数で押し切るなら審議拒否する」と強く批判した。