9秒でまるわかり!

  • 辺野古反対運動で日当が出るというデマを信じた若者が本当にきた
  • 運動の中心メンバーは行動費月1万円とガソリンの現物支給がある
  • 海上行動者らの食費はヘリ反対協が負担。一般参加者の弁当は自腹

 辺野古新基地建設の反対運動に、若い男性3人が手伝いに来たことがあった。様子が違うと感じた参加者の女性が「お給料もらえると思ってる?」と聞くと、「はい」。お金は出ない、と伝えるとばつが悪そうに帰っていった。

弁当を注文した人の名前を確認し、代金を受け取る大城さん(右)=2月、名護市の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 「反対運動で日当が出る」という神話は、かなり浸透している。ネット掲示板ではこんな具合。「朝から酒を飲み、弁当をもらって日当2万円(中略)有名な話です」。宮古島市議は議場で同様の発言をした。

 「実際に来てみればいいのに」。島ぐるみ会議バスで県庁前からキャンプ・シュワブゲート前に通う女性(75)は言う。毎回、日当どころか乗車のため千円払う。1日おきに来るので月1万5千円になる。

 女性の収入は年金など月平均で9万円ほど。家賃3万4500円や食費を引くと余裕はない。そこで選んだのがガスを止めることだった。夏は水のシャワー、冬は電気ポットで少しのお湯を沸かして体を拭く。食事も電子レンジや炊飯器だけで工夫している。

 なぜそこまで、と尋ねた。「両親を戦争で亡くし、戦後も苦労した。新しい基地ができて、新しく苦労する人が出るのは嫌だから」。昔に比べれば、今の苦労は何でもないと笑った。

 名護市で反対運動を続けてきた市民団体、ヘリ基地反対協。連日、辺野古漁港そばのテント村に通う共同代表の安次富浩さん(69)にも聞いた。行動費は月1万円。あとはガソリンの現物支給を受ける。ただし、1万円は連絡の携帯電話代に消えてしまう。

 行動費は他に毎日の役割が決まっている中心メンバー数人に出ているだけだという。

 安次富さんは「個人負担が大き過ぎると運動が続かない。なるべく穴埋めしたいけど、それも一部しかできていない。まして、運動でもうけるなんて考えられない」と話す。

 海上行動のメンバーや、ゲート前のテントに泊まり込むメンバーの食費は反対協が負担している。

 「これだって海に沈められたり、寒い思いをしたりする人々へのせめてもの気持ち。弁当のためにこんな難儀をする人がどこにいますか。新基地を造らせない、その思いだけで集まっている」

 一方、昼間のゲート前では弁当も自己負担だ。県庁前発の島ぐるみ会議バスの車中では、大城博子さん(64)が毎日注文を取り、手配している。1個350円、17個なら5950円。個数ごとの合計金額を暗記してしまったという。

 代金を受け取り、弁当を手渡しながら言った。「日当、弁当付きなんて、うそも百回言えば本当になってしまうんでしょうか。ただ事実を知ってほしい」(「沖縄基地」取材班)