高校1年の藤井聡太七段が次々と最年少記録を塗り替えている。国内は空前の将棋ブームだ。まだプロ棋士を出していない沖縄だが、子どもを中心にこれまでにない強い風が吹く

▼台風の目となるのは豊田塾宜野湾将棋道場。開設5年目。プロにあと一歩と迫った城間春樹さん(40)が師範となり、今は禰保拓也さん(36)が指導する。2人ともアマで全国優勝した実力者

▼代表の照屋彰さん(48)によると、県内の対局は「切り合う」弱点があった。よく言えば攻め合い。その実はノーガードの打ち合い。2人の指導によって守りの大切さが浸透した

▼県外からプロを招き、道場内のリーグ戦で互いに鍛える日々。結果も出ている。塾生の小学生3人組が昨年、団体戦で大人を含む県大会を制した。個人戦でも常に上位に入る

▼この3人に中学1年を加えた4人が今夏、大きな壁に挑む。日本将棋連盟のプロ養成機関「奨励会」の試験だ。全国で169人の狭き門。県勢の経験者は城間さん含め3人しかいない。3割台の合格率を突破すれば県内最年少となる

▼藤井七段は小学4年で奨励会に入り5年後に史上5人目の中学生プロとなった。今回誰かが奨励会に入って5~6年後に県勢初のプロが誕生する-。希望を込めつつ照屋さんはこんな実感を持つ。沖縄の将棋界からも目が離せない。(溝井洋輔)