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[大弦小弦]補助金を使うことを役所の言葉で「活用する」と呼ぶ…

2018年5月28日 07:34

 補助金を使うことを役所の言葉で「活用する」と呼ぶ。辞書を引くと、効果がある使い方という意味がある。私はできるだけ「補助金を利用する」など中立的な表現を選ぶようにしている。お金が生かされたのかどうか、判断するのは役所でも新聞でもなく、住民だと思うから

▼名護市が米軍再編交付金を使って学校給食費や保育料を無料化することを決めた。渡具知武豊市長は目玉公約を早速実行に移す。両方とも県内初となる

▼市内の子育て世代には朗報。私自身も恩恵を受ける。ただ、高所得世帯まで一律無料にするのが本当の公平か、議論の余地はある

▼もう一つ、朗報すぎるため以降の政治家は誰も廃止できなくなる恐れがある。再編交付金は期間限定。その後の財源をどうするか

▼原発の交付金をモデルにした再編交付金は調査、着工など段階ごとの出来高払い。前市政時代のように、国の一存で凍結もできる。原発の地元では財政支援が尽きて新たな原発の立地を認めるなど、「麻薬」のような効果が指摘される

▼名護市民は今後も国策である辺野古新基地建設、それとセットの最も露骨な財政誘導を目撃することになるだろう。そのお金は役所が言う通り「活用」されているのか、そもそも必要なのか。際限のない基地増強という悪循環を避けるために、見極める力がいる。(阿部岳)

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