沖縄タイムス社創刊70周年を記念した写真展「カラーでもっとあんやたん AIで振り返る戦後沖縄の風景」最終日の27日、写真とAI(人工知能)をテーマにしたトークイベントがあった。

カラー写真化について意見を交わす(右から)土屋誠一准教授、大城弘明さん、與那覇里子記者=27日、タイムスギャラリー

 新聞写真がカラー化したのは1980年ごろ。沖縄タイムス元写真部長の大城弘明さんは「カラー化への憧れはあったが、コストの面で踏み切れなかった。家庭用写真の方がカラーの導入は早かった」と経緯を説明。プロボクシング元世界王者の具志堅用高さんが80年、国際通りをパレードした写真を撮影。色が付いたショットに「とても晴れていて、もっと空は青かったと思う」と振り返った。

 本紙デジタル部の與那覇里子記者は「AIは沖縄の色を学習していないので、絶対的な色を再現できてはいない。人の記憶で補う必要がある」と解説した。

 写真論が専門の県立芸術大学の土屋誠一准教授は、モノクロ写真のカラー化の効果を「当時にタイムスリップしたような気持ちになり、記憶がよみがえってくる」とする一方で、「例えば映像に手を加えたら、事実を変に解釈される恐れがある。写真も同様で、AIの技を加えたことで誤解を招かないような取り組みをする必要がある」と課題も指摘した。

 写真展は、早稲田大の石川博教授らの研究グループが開発したAIなどを使い、白黒の報道写真に色付け。東京大学大学院の渡邉英徳研究室の協力を得て、当時の沖縄のカラーを再現した。23日から開催し、5日間で約4500人が訪れた。