台湾の大学に進学する沖縄の高校生が増えている。県内の台湾大学進学塾4校の進学者数は2017年度計61人で、14年度の計3人から急増している。学費や生活費の割安感や距離の近さなどが台湾進学を後押しするが、十分な語学力を備えずに入学し、授業についていけず退学する事例も出ている。

台湾大学進学予備校(ホームページから)

 台湾大学進学予備校(茨城県)は、14年9月に那覇校を開校。現在は宜野湾、コザの計3校を構える。14年度の那覇校の進学者は1人だったが、17年度は54人に増え、同予備校がある全国9地区のうち最多だった。2日現在、本年度は61人が入学を予定している。

 那覇市の中国語教室「チャイニーズスクール沖縄」も、14年度に台湾大学進学コースを開設。これまで計17人が進学した。

 同スクールでは2日、留学が決まった生徒と、検討している生徒の交流会に10代の約10人が参加した。留学書類の準備や中国語の勉強法について情報交換。台湾進学を考えたきっかけは、同予備校の校内説明会や友人、親戚からの口コミとした人が多かった。魅力としては①学費や生活費の安さ②充実した奨学金制度③距離の近さや似た気候―が挙がった。

 6月から台湾の語学学校に留学する那覇市の秋吉千國さん(18)は、高校2年の終わりごろ同予備校の説明会に参加した友人から話を聞き、学費が30万~40万円で、さらに給付型奨学金も充実していることに興味を持った。「普段、中国人観光客に道を聞かれることも多い。中国語で会話できたら自分の世界が広がりそう」と進路を決めた。

 台湾の明道大学1年の大城麻奈未さん(19)も、高校時代に観光客が多数訪れるアルバイト先で中国語の必要性を実感した。「異文化は刺激的。台湾なら沖縄にすぐに帰れる安心感もある」と話す。

 一方、外国語で学ぶ厳しさを指摘する声もある。国立政治大4年(台湾)の宮城里奈さん(23)は「母国語レベルでないと大学の授業にはついていけない。現地の友達に助けてもらった」と説明する。授業についていけず、退学した留学生も数人知っているという。

 同スクールの仲眞啓子代表は「安易な留学は勧めない。留学手続きを自力でこなせるくらいの語学力は最低ライン」と強調した。(社会部・宮里美紀)