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  • やんばる国立公園に「狭すぎる」と12の環境団体・個人が意見書
  • 最も法規制が厳しい特別保護地区はやんばる全体の2%しかない
  • ほとんどの地域で許可を得れば伐採可能で、計画の再考を強く要求

 世界自然遺産「奄美・琉球」(鹿児島県・沖縄県)の前提となる「やんばる国立公園」計画をめぐり、「日本森林生態系保護ネットワーク」など12の自然環境団体・個人は23日、沖縄県庁記者クラブで会見し、国立公園に指定する面積が「狭すぎる」などと問題視する意見書を発表した。計画の再考を強く求めている。

「やんばる国立公園」区域案

 環境省国立公園課の担当者は、本紙の取材に「土地所有者や地元自治体など多方面と調整した上での指定案。単に科学的知見だけでなく、慎重な検討を進めてきたものだ」との見解を示した。

 約3万4千ヘクタールのやんばる地域全体に対し、国立公園(陸域)指定面積の割合は40%、最も法規制の厳しい「特別保護地区」に限れば2%にとどまる。

 「やんばるDONぐりーず」の喜多自然共同代表は「特別保護地区は限りなくゼロだ。かえって個体群の孤立と分断を招き、長期的に生物多様性を毀損(きそん)しかねない」と指摘。保護の必要性に応じて線引きする法規制の区分も「恣意(しい)的、政治的に決められたようなもの。科学的調査に基づき区分し直すべきだ」と訴えた。

 一方で、やんばる国立公園に指定する約1万3600ヘクタールのうち、許可を得るなどすれば木の伐採が可能な地域(特別保護地区以外)は約94%に上る。「琉球列島を自然遺産にする連絡会」の伊波義安世話人は「やんばるの森の伐採に、国がお墨付きを与えることになる」と強調。国内法で開発規制できない米軍北部訓練場の隣接も問題視した。

 12団体・個人は同日、「計画そのものを拒否する」として、環境省が募集中のパブリックコメントとは別に意見書を提出。同省は早ければ今夏にも、一帯を国立公園に指定する考えだ。