「節水しようにも、もう水がない」「キビを枯らさないようにするだけでぎりぎり。もう限界」。今年に入ってから少雨傾向が続き、3月からまとまった雨が降っていない大東島地方。サトウキビが立ち枯れし、畑が地割れするなど、農家が水不足にあえいでいる。ため池の水でしのぐなどの対策に奔走しているが、1カ月半ほど成長が遅れているという。「島民は、キビで生きているようなもの。このまま降らなければ生活が危ない」と悲鳴を上げている。

雨が少なく、生育不良のサトウキビ=南大東村南区幕上(東和明通信員撮影)

雨が少なく、生育不良のサトウキビ=南大東村南区幕上(東和明通信員撮影)

まとまった雨3月から降らず

 南大東村の1~5月の合計降水量は29日現在、218ミリで平年値(592ミリ)の36・8%にとどまる。4月の降水量は13ミリで、観測史上最少に並んだ。今月も29日までに降ったのはわずか18・5ミリと、5月の降水量が最も少なかった2007年の29ミリを下回るペースだ。

 南大東の貯水池18カ所の合計貯水率は25日時点で28・2%。「自然の池の水を使おうにも塩分濃度が上がってなめると辛いほどで、農業に使えなくなる寸前。対策の打ちようがない」と役場の担当者は頭を抱える。

 北大東村でも、黒部地区や江崎地区の貯水池では1~2割まで水量が減少。本来なら梅雨場は夏の干ばつに備えて水利用の計画を考える時期だが、村の担当者は「これまで経験したことがない少雨で、節水しようにもすでに水がない。キビの成育は平年の1カ月半ほど遅れている」と話す。

立ち枯れや畑の地割れも

 南大東の製糖工場・大東糖業によると、サトウキビが立ち枯れしたり畑が地割れしたりしているという。自然の池から各農家の簡易貯水池に水を運ぶため、車両を無料で貸し出すなどして対応している。

 同村さとうきび生産組合の儀間勉組合長は「多くの島民がサトウキビで生活している。枯らさないよう最低限の水で頑張っているが、雨が降らないともう限界だ」と苦境を訴える。

 同村のサトウキビ農家・玉城克也さん(49)は「雨が降るタイミングで肥料を追加する管理作業ができない。6月に入ると雨が降る予報があるので、それを信じたい」と切実感をにじませた。

座間味・渡嘉敷両村も危機感

 【座間味・渡嘉敷】座間味村阿嘉と慶留間両島の水源であるウタハ堰(せき)の貯水率が29日現在、32・39%まで落ち込んでおり、村は危機感を募らせている。村によると、村内放送で観光客や住民に節水を呼び掛けているほか、現在改修工事のため停止中の海水淡水化装置については、6月初旬の再開を目指して作業を急いでいる。

 一方、渡嘉敷村でも恩納堰など計3カ所のダムの貯水率が約36%まで下がっている。村の担当者は「貯水率が30%を切った場合、夜間断水も検討しなければいけない。危機感を持って取り組みたい」と話した。