米大統領選に向けた報道が手厚くなった。中でも共和党の候補者指名争いは、実業家のトランプ氏が独走態勢に入り、米国内外で波紋を広げている

▼暴言、妄言の類いと、本人の言動を放っておいた共和党指導者たちが、指名獲得阻止に動いているという。緒戦の勢いを見ると、果たして有効に対応できるのかどうか

▼支持の中核は、生活が苦しい白人の中低所得者層とされる。白人が主人公の国だったのに、いつのまにか「地盤沈下」したとの感覚があり、移民排斥や「偉大な米国を取り戻す」とのレトリックに熱狂するのだとか

▼経営者ら富裕層にも浸透しはじめ、支持に厚みが増しているともいわれる。戦略にたけたビジネスマンで過激な言動は支持掘り起こしの手段の一つにすぎない。物事の成し遂げ方を知っており、指名を得れば、らしく振る舞うと踏んでいるという

▼為替操作国、米国から職を奪っているなどの対日批判や、最近では国外での米軍の関与強化を疑問視し、日本が大半を負担している駐留経費も「100%にすべきだ」とも主張した

▼国内向けと分かりつつ、苦笑いする人も多かろう。国内重視の延長で、在沖米軍の在り方を大きく変更するトランプマジックに期待しないでもない…。いやいやまだ予選である。レトリックに惑わされてもしょうがないか。(宮城栄作)