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  • 沖縄県が子どもの貧困の背景にある生活や家庭環境などを調査
  • 生活が苦しい経験をした親の世帯の3~6割で「貧困の連鎖」の傾向
  • 習い事など「家計と子どもへの支出」でも違いが浮き彫りになった

 沖縄県は24日、子どもの貧困の背景にある生活や家庭環境、学校での暮らしをまとめた「沖縄子ども調査」の概要版を発表した。保護者アンケートでは、15歳の時に生活が苦しい経験をした保護者のいる世帯の3~6割が、現在も食料などを買えない経験があるなど「貧困の連鎖」の傾向が表れた。経済的理由で大学教育を断念する貧困層の割合は非貧困層の約3倍。父親の年収が「200万円未満」と答えた6割が「中学卒業」であるなど学歴と不安定雇用の関連も合わせ、貧困状態にある家庭が置かれた厳しい現状が明らかになった。

【沖縄子ども調査】15歳の時と現在のくらし

 県は今回の調査で集めた子どもと保護者のアンケートを基に、2016年度はさらに詳細な分析に取り組み「貧困の連鎖」の影響を明らかにする方針。子どもの放課後の居場所や、保護者の雇用形態・年収が子どもの成長に与える影響、育児の際の保護者の心理なども調べ、有効な施策につなげたいという。

 概要版で新たに発表された6項目のうち、「家計と子どもへの支出」は貧困層と非貧困層で大きな違いがあり、経済状況で格差が表れた。経済的理由から習い事や学習塾に通わせられない割合は貧困層の小学1年と小学5年、中学2年で37・9~53・4%。非貧困層の約2~3倍だった。

 「年1回ぐらいの家族旅行」に行けないのは小学1年の貧困層で71・9%と非貧困層の約1・9倍。中学2年で「毎年新しい洋服・靴を買う」ことができない割合も貧困層で約2割いた。

 調査研究チームの一員で立教大学の湯澤直美教授(社会福祉学)は「経験格差」で「習い事や通塾経験は、友人との会話に支障が出る場合も少なくない」と指摘。長期休暇明けの学校での会話にも影響し、コミュニケーション上の課題を抱える可能性を危惧した。