23日に与那原小学校を卒業した新里凜(りん)君(12)は、兄の拓樹(ひろき)さん(19)=沖国大1年=から引き継いだランドセルを6年間使い通した。足かけ12年間働いたランドセルは所々革がはがれ、両肩ひもは今にもちぎれそうだが、凜君は「物を大事にする心を知ることができた」と感謝の気持ちでいっぱいだ。(南部報道部・天久仁)

12年間使われたランドセルを手にする新里凜君(左)と兄の拓樹さん=21日、与那原町上与那原

12年間使われたランドセルを手にする新里凜君(左)と兄の拓樹さん=21日、与那原町上与那原

 ランドセルは約13年前、拓樹さんが与那原小入学時に祖父に買ってもらったもの。卒業後も新品のようにきれいだったので、そのまま家の中に置いたままにしていた。

 当時、小学校入学を控えた凜君は家を訪れる親戚から「あなたもこのランドセルだよね」と言われ続け、何となく、そのまま使うことになったという。

 入学してみると「周りの同級生のランドセルは新品ばかりだった」と凜君。当初は「買った方がよかったのかな」と思ったが、フックの位置が他のランドセルと違う点が「かっこいい」と気に入った。

 雨にぬれたら布で水を拭き取って大事に使った。そろばん塾の外に置き忘れ、慌てて取りに戻ったら見つからず「どうしよう」と困ったが、翌朝には元の場所に戻っていて「ほっとした」こともある。

 凜君は6年間無遅刻無欠席を通し、兄の拓樹さんも6年間無欠席だったため、ランドセルは文字通り、12年間フル回転だった。拓樹さんはランドセルを見つめて「ここまでよく使い込んだな」と感慨深げ。中学校用に新しいリュックサックを購入した凜君は「家にしばらく飾りたい」と古ぼけた「親友」をねぎらった。