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「美ノ海」と書いて「ちゅらのうみ」 しこ名に込めた郷土愛 沖縄出身の関取16年ぶり誕生

2018年5月31日 12:43

 日本相撲協会は30日、東京都墨田区の両国国技館で大相撲名古屋場所(7月8日初日・ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、沖縄県うるま市出身の木崎(25)=本名木崎信志、木瀬部屋=改め「美ノ海(ちゅらのうみ)」の新十両昇進を決めた。県出身では2002年の琉鵬以来16年ぶり5人目。県関係では鹿児島県与論町出身で中部農林高を卒業した千代皇(現千代ノ皇)以来5年ぶり。

新十両昇進の会見で改名したしこ名「美ノ海(ちゅらのうみ)」を披露する木崎=30日、東京都墨田区(日刊スポーツ提供)

 美ノ海は「久々の沖縄出身の関取になることができてうれしい。これからがスタート。まずは十両で勝ち越したい」と喜びと決意を語った。

 具志川中から鳥取城北高、日大に進んだ美ノ海は、全国学生選手権など全国制覇に貢献した。16年3月に初土俵。大相撲の戦績は61勝30敗。幕下東4枚目で臨んだ今月の夏場所(13~27日)を4勝3敗で勝ち越し、昇進を決定付けた。176センチ、136キロ。

分かりづらいと改名

 ウチナーグチ(沖縄の言葉)で「きれい」を意味する「美(ちゅら)」をしこ名に入れた木崎改め美ノ海は30日、東京都墨田区の木瀬部屋で記者会見し「沖縄の人に応援してもらえるように。まずは十両で勝ち越したい」と故郷を思った。

 「沖縄を背負うつもり」。木崎では沖縄出身だと分かりづらいからと変えた名は、日大時代に友人らと話して温めていたものだ。

 「外の世界を見てみたい」と沖縄を離れ、鳥取城北高、日大を経て2016年春場所で初土俵。176センチ、136キロと小兵ながら動きは速く、左前まわしを引いての寄りは鋭い。「大きい相手にもびびらず、気持ちで負けないこと」と心掛け、昔からのスタイルを貫くが「まだ完成していない」。今後も左前まわしにこだわっていくつもりだ。

 幕内豊山らは学生相撲の同学年に当たり「早くその地位まで上がれるように、焦らず地道に力をつけていきたい。ここがゴールじゃない」と飛躍を期した。

 師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「相撲はうまいし、力強さがある。もっと体を大きくしたら面白い」と期待した。

「皆さんに恩返しを」喜ぶ家族

 沖縄県出身5人目の関取誕生に家族や友人、県内相撲関係者が喜びの声を上げた。

 母親の睦子さん(59)には、美ノ海が子ども時代に稽古した中部農林高校相撲部OBらから祝福の電話が20件以上あったという。三男の昇進に「やっと皆さんに恩返しできるところまで来た。これからも頑張って、真っすぐに生きて一生懸命に相撲を取ってほしい」と活躍を期待した。

 ウチナーグチを使ったしこ名はラジオで知ったといい「県外で暮らし厳しい世界で生きてきて、沖縄に対する思いがあったんだと思う。聞いた時はうれしかった」と声を弾ませた。

 美ノ海と同い年で小学校時代から稽古してきたアマチュア相撲現役の山城将吾(中部農林高-日大出)は、今も連絡を取り合って苦楽を分かち合っている。「昨年の沖縄巡業の時に本人から『十両に上がってから沖縄に来る』と欠場の連絡があった。今年の巡業が楽しみ」と喜び「自分も頑張らないと」と刺激を受けた様子だった。

 叔父で中学時代まで指導していた木崎智久さん(54)は「体はあまり大きくないけど努力家でまじめに取り組んでいた。県民から応援してもらえる力士になってほしい」と願う。

 元幕内で2002年に引退した琉鵬さん(40)=本名浦崎桂助、伊江村=は「これから沖縄を盛り上げて、県勢初の三役を狙ってほしい」と激励した。県相撲連盟の和宇慶勝則会長(61)は「よく一生懸命頑張って昇進してくれた。おめでとう」とたたえた。

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