【宮古島】サシグサとも呼ばれる植物で白い花と針のような種が特徴の「ビデンス・ピローサ」(和名・タチアワユキセンダングサ)の出荷が宮古島で伸びている。同植物の成分が持つ抗酸化力の強さに着目した武蔵野免疫研究所(宮古島市、吉田八束代表)が錠剤とドリンクを開発し、消費者庁の機能性表示食品を取得。県外の健康食品メーカーから原料用での引き合いが増えている。ただ、この先も伸びる需要に生産が追い付いておらず、栽培面積の拡大も課題となっている。(宮古支局・仲田佳史)

1次加工のためビデンス・ピローサを洗浄する武蔵野免疫研究所の関連会社の職員ら=24日、宮古島市城辺西里添

 同研究所は1996年に宮古島市城辺でビデンス・ピローサ(BP)の試験栽培を開始。農家でつくる生産組合が栽培に取り組んでいる。

 BPは県内各地に自生しているが、同研究所の調査で宮古島は沖縄本島や台湾といった他地域よりも抗酸化成分が高いことが判明。医学博士の資格を持つ仲間真司研究開発担当部長は「紫外線が強い沖縄の中でも宮古島は弱アルカリ土壌で、硬度の高い地下水を農業用水として利用するのが影響している」とみる。

 需要を見越して組合員数を拡大したが、供給量の増大に生産が対応できず一時、組合員数が5分の1以下に減少することもあった。

 だが、同研究所の錠剤とドリンクが2016年に機能性表示食品を取得後し、「目や鼻の不快感を軽減する」と表記できるようになった。それ以降、複数の健康食品メーカーからOEM(相手先ブランドによる生産)の依頼が増えた。17年度の出荷量(生草換算量)は前年度比14%増の88トン。各メーカーの商品の販売も好調で、この先も取引は増える見通しで23年度は150トンの出荷を計画している。

 需要が高まる一方で、原料供給が追い付かない事態も生じている。18年度の栽培面積は120アールで組合員数は8人。出荷計画に対応するには19年度は300アール、20年度は500アールへと面積を増やさなければならない状況だ。

 同研究所は今後、新たな農家の参加を募り、面積の拡大に力を入れる方針。仲間部長は「今のペースでいくとあと2~3年で在庫が底をつく。農家の協力を得ながら生産を増やしていきたい」と話した。