航空機や艦船をレーダーで監視する陸上自衛隊の沿岸監視部隊があす28日、施設建設が進む与那国駐屯地(仮称)で発足する。中国軍に対する情報収集が主な任務である。

 1月末には航空自衛隊那覇基地に第9航空団が編成され、同基地のF15戦闘機が約40機に倍増されたばかり。宮古島や石垣島では、地対艦ミサイル、地対空ミサイルの部隊配備計画が進んでいる。息せき切ったような自衛隊の新・増設ラッシュだ。

 島の人々の見方や対応は真っ二つに割れている。

 中国の軍備増強や海洋進出に対する不安を前面に押し出し、自衛隊配備の必要性を強調する賛成派。反対派は、沖縄が再び戦争に巻き込まれ戦場となることへの不安とともに島が分断されることを懸念する。

 島の活性化を願うという点は賛成派も反対派も共通しているが、自衛隊に頼って島おこしをするのか、そうでない道を選ぶのか、という点では賛成派反対派の考えは異なる。

 自衛隊配備によって抑止力が高まる、と防衛省は再三説明するが、対話の努力を欠いた軍事偏重の取り組みは安全保障のジレンマに陥り、この地域の緊張を高めるだけではないのか。中国との関係改善を図ることが重要だ。

 住民への事前説明と情報公開が不十分なまま既成事実が積み重ねられ、性急さが島の人たちを引き裂き分断する。軍事化への不安を訴える人々の声は、本島から遠く離れ島ごとに分断されているだけに届きにくく、孤立しがちだ。

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 2015年4月に改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)は、自衛隊が離島防衛を「主体的に実施する」と定めている。米軍の関与は「支援・補完」にとどまる。

 米海兵隊は、尖閣を守るためオスプレイを投入し中国軍と一戦を交える、という事態を想定していないのである。

 防衛省は、自衛隊に配備される新型輸送機オスプレイを佐賀空港に配備する計画で、米海兵隊のオスプレイの訓練移転は見送った。「佐賀空港に配備すれば補給せずに南西諸島へ展開できる」と中谷元・防衛相は説明する。

 そうすると、米軍普天間飛行場の代替施設として名護市辺野古に建設される新基地は、ほんとに必要なのか、という疑問が生じる。

 佐賀空港への陸自オスプレイの配備について防衛省筋は「自前の輸送機だから住民が懸念する運用について丁寧に説明できる」と米海兵隊オスプレイとの違いを強調する。

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 沖縄には根強い反対があるにもかかわらず海兵隊オスプレイを押しつけ、佐賀には配慮を示す。沖縄からみれば「構造的差別」というほかない。

 17年に横田基地に配備される米空軍のCV22オスプレイは、沖縄本島や伊江島、周辺海空域での訓練が予定されており、そのための施設整備が伊江島補助飛行場や嘉手納基地で計画されている。

 自衛隊の新増設ラッシュと辺野古の新基地建設・米軍再編は、長期的な将来を見すえた一体的な動きとして理解する必要がある。