米国人とアジア人の間に生まれた子どもが学ぶ民間教育施設「アメラジアンスクール・イン・オキナワ」(宜野湾市志真志)が1日、開校20周年を迎えた。学びの多様性と「ダブル」の教育を掲げる同校。公立学校との連携強化で卒業後の進学は保障されつつある一方、資金難で運営は厳しく、「十分な教育環境を整えるため公的支援を拡大してほしい」と訴える。(社会部・湧田ちひろ)

色塗りや紙の切り貼りで英語を勉強する小学1年生=31日、宜野湾市のアメラジアンスクール・イン・オキナワ

 住宅街にある宜野湾市人材育成交流センターの1階。手書きの看板が掲げられた学びやに、幼稚園児から中学生まで68人が通う。中学1年の狩俣旭利龍(アンドリュー)さん(13)は上級生からいじめを受け、小3で公立小から転校した。「みんな家族みたい。世界中にこんな学校があってほしい」と笑顔を浮かべる。

 同校は1998年にセイヤーみどり理事長をはじめ、アメラジアンの母親が中心となって設立した。主に米国人の父親と日本人の母親の間に生まれ、二重国籍を持つ子が多い。言葉の問題などで公立校に通いにくい事情を抱える。

 これまでスクールを卒業したのは70人。約9割が県立高校に入学し、希望者の進学率は100%だ。

 公立高校を一般受験する生徒も増えており、同校は日本語対策や進路対策に力を入れてきた。小学校は国語以外の授業はほぼ英語でするが、中学校は半分以上が日本語だ。

 高校入試で必要な調査票にスクールの成績を反映してもらうため、生徒の学籍がある公立校(在籍校)を毎年訪問して説明している。

 野入直美代表理事代行は「この20年で公教育との連携が進み、進路保障が整ってきたことは大きな前進。ただ、今でも在籍校での出席がないことを理由に最低評価が付くこともあり、引き続き理解を求めたい」と話す。

 大きな課題は財政面だ。主に県の補助金約1千万円と月3万1千円の授業料でまかなうが、人件費や教材購入には十分ではなく、赤字が続く。校舎は宜野湾市の無償貸与だが、教室が足りずに複式学級としたり、校庭がなく公園で体育の授業をしたりしている。

 自身の子もアメラジアンとして同校に通うウィリアムス・トランパス校長は「ここは言語だけでなく、多様な文化を学び、違いを認め合うことができる。どんな子も安心して学校に通えるように、公的支援や寄付が広がれば」と話している。