民主、維新両党が合流した「民進党」は27日、都内で結党大会を開いた。合流によって衆参両院で計156人を擁する勢力となった。野党第1党として責任感と指導力を発揮して「自民党1強体制」にストップをかけられるかどうか、存在が問われる。

 初代代表に就任した岡田克也民主党代表は「政権交代可能な政治を実現するラストチャンスだ」と呼びかけた。夏の参院選や衆参同日選を念頭に、政権奪取を訴えたが、国民の期待感はどうだろうか。

 共同通信社が26、27両日に実施した世論調査によると、民進党に「期待しない」と回答した人は67・8%、「期待する」は26・1%にとどまった。民主党政権時代の国民の厳しい視線はなお消えておらず、逆風の中の船出であると認識した方がいい。

 民主党への復帰組がほとんどで新鮮味に欠けることもあろう。執行部人事も岡田代表はじめ、3人の代表代行のうち筆頭格に維新から江田憲司前代表が就き、バランスを取った形だ。幹事長には枝野幸男民主党幹事長が起用されるなど横滑りである。そんな中で注目したいのは政調会長に山尾志桜里衆院議員の抜(ばっ)擢(てき)である。待機児童問題で国民の不満をすくい上げ政策につなげたのは記憶に新しい。

 新党名には「民とともに進む政党」「常に民の側に立って改革を進める」といった思いを込めたという。

 安倍政権の特徴は、安保関連法など国論を二分する法案を数の力で強行採決していることである。国会内外の反対の声に耳を貸そうとしない。

 党名のように安倍政治に対する多くの国民の不安感をすくい上げ対立軸を提示できるかが民進党の試金石である。

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 民進党の綱領には「自由と民主主義に立脚した立憲主義を守る」「共生社会をつくる」「未来への責任 改革を先送りしない」などが並ぶ。

 理念を具体的な政策に落とし込み、国民に提示することを急がなければならない。

 気になることもある。

 原発について当初の綱領案には「30年代原発稼働ゼロを目指し」と明記していたが、「原発に頼らない社会を目指す」に変わったことだ。原発に向き合う基本姿勢がぼやけてしまったと言わざるを得ない。原点に戻るべきだ。

 重要政策でのバラバラ感が解消されているのかどうか、懸念が残る。両党とも内紛と分裂を繰り返し、国民からそっぽをむかれた。まとまりのある新しい民進党の姿をみせることが支持率浮揚の材料となるはずだ。

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 民進党の真価が問われる場面はすぐにやってくる。夏の参院選である。結果によっては内部でくすぶっている不満が噴出しかねない。

 参院選1人区の「野党共闘」で、宮城選挙区は今月2日、民主党県連と共産党県委が「民意を踏みにじる辺野古新基地建設に反対」との項目を政策協定書に盛り込んだ。

 「辺野古」は安倍政権との対立軸はこれ以上ないほど鮮明で争点化すべきだ。

 民進党が野党共闘を結集する要役になることができるかが、同党の帰(き)趨(すう)を決める。