子どもの貧困対策をめぐり、沖縄県内14市町村が、行政と民間が連携する仕組みとして「協議会」を新設することが沖縄タイムスの調べで分かった。内閣府が3月上旬、協議会設置を検討するよう全41市町村に文書で依頼していた。一方、12市町村は現時点で「予定なし」との立場。それぞれの管内の実態把握を進めつつ、地元の実情に応じた貧困対策の在り方を検討する考えを示している。(社会部・西江昭吾)

子どもの貧困対策の枠組み

子どもの貧困対策に関する「協議会」への対応

子どもの貧困対策の枠組み 子どもの貧困対策に関する「協議会」への対応

 子どもの貧困対策で、内閣府が市町村に協議会設置を促すのは初。法的根拠はなく任意の取り組みを期待するもので、設置の可否は市町村が判断する。

 想定では「協議会」に市町村や民間団体、学校・福祉関係者などが参加。地域に出向いて現状を把握する「貧困対策支援員」も加わる。行政と民間、また民間同士が連携を深め、効果的な対策につなげる狙いだ。

 県内41市町村のうち、中城村は既に協議会を立ち上げ、16日に初会合を持った。13市町村は4月以降に「設置予定」と回答。14市町村は「検討中・未定・今後検討する」としている。与那原町は既存の「要保護対策推進協議会」を活用する考えを示した。

 2月20日に島尻安伊子沖縄担当相とNPO団体などが那覇市内で懇談した際、「行政と民間が連携する枠組みが必要」との要望があったことを踏まえ、内閣府が依頼文書を出した。

 「子どもの居場所」づくりに向けて、内閣府は経済界に支援を要請。居場所づくりに協力する学生ボランティアへの資金的な支援などを念頭に置いている。

 内閣府が2016年度の沖縄振興予算案に計上した貧困対策費10億円は、「子どもの居場所」の運営費や「支援員」の人件費に充てるのが柱。事業の実施主体は市町村となっている。

■組織連携の向上図る 実態把握後検討も

 内閣府が41市町村に検討を促した「協議会」について、設置を予定する自治体は「より意識を高め、横断的に連携して取り組むことができる」(金武町)などとして、調整機能の役割を見据えている。宜野湾市は副市長をトップに社協や保育園長会など26機関の参加を想定。浦添市は「支援が必要な子どもを地域で掘り起こし、支援につなげる」ことを主眼に置く。「内閣府の依頼前から設置を決めていた」(北中城村)自治体も。

 一方で「設置予定なし」とする市町村は「まずは実態把握から始める。必要なら設置も考える」(読谷村)などのスタンス。沖縄市は「(貧困対策は)組織を立ち上げたからできるものではなく、下から積み上げる必要がある」とする。

 依頼した内閣府も決して「協議会」ありきではなく、市町村が主体的に判断し「関係機関同士がつながる」(政府関係者)体制づくりを求めている。

 離島自治体は「国の示す貧困に該当する家庭はいない」(渡嘉敷村)など設置予定がない所が多かった。

■県内経済団体、支援へ手探り

 子どもの貧困対策で、内閣府から協力を要請された県内の経済界。沖縄経済同友会は2月、具体策を検討する考えを表明したが、他の経済団体はどう考えているのか。

 積極的な姿勢をみせたのは県中小企業団体中央会。「本来業務の『協同組合をつくる』ことを生かし、効率的・合理的な取り組みをしたい」と意気込む。例えば保育士の組合をつくって保育所を運営し、ひとり親家庭の親が働きに出やすい環境を整えることなどをイメージしているという。

 県商工会連合会は、支援の必要性を認めつつも「最近、内閣府から説明を受けたばかり。具体的な取り組みはこれから」とし、国や県の体制づくりに合わせていく構え。県中小企業家同友会も「何らかの形で対応していくが、具体的なことは検討中」とする。県経営者協会は「組織的な対応は4月の正副会長会議で検討する」と説明。県工業連合会は「状況を把握しながら勉強中」とした。