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  • 中谷防衛相が与那国視察で「南西諸島ってどこまでかな?」と質問
  • 政府は南西諸島の防衛強化を打ち出し、自衛隊配備を進めている
  • 担当大臣が基本を理解していないと疑いを持たれかねない発言だ

 【与那国】「南西諸島ってどこまでかな?」。中谷元・防衛相は27日、与那国沿岸監視隊(仮称)の視察中に担当者に疑問を投げ掛ける一幕があった。防衛省は「南西諸島の防衛強化」を打ち出し、奄美から与那国にかけた地域で自衛隊配備計画を進めているが、担当大臣が基本部分を理解していない疑いをもたれる発言をした形だ。

陸上自衛隊与那国駐屯地の発足を前に視察する中谷防衛相(左から2人目)=27日午後、与那国島

 監視隊庁舎の屋上には、沖縄本島から与那国までの地図を記した石版が設置されており、自衛隊の担当者が与那国と台湾、尖閣諸島の距離を説明。

 中谷防衛相は説明に割って入る形で「南西諸島ってどこまでかな」と述べた後、本島と与那国までの距離を手で広げ、「この距離に本州がすっぽり入る。広いよね」と発言した。

 那覇-与那国間は約514キロ。鹿児島県南部の大隅諸島から与那国島までの南西諸島は全長約1200キロで、日本の本州と同程度の距離とされている。

 周囲から「(南西諸島は)奄美、鹿児島も入ります」と進言されると、中谷防衛相は「あっ、鹿児島…」とつぶやいた。

 防衛省は奄美大島に18年度末までに約550人の警備・ミサイル部隊を配置する方針で、国会でも何度も答弁している。

 自衛隊配備に反対してきた同町の田里千代基町議は「住民を二分した配備なのに担当大臣が知識不足では本当に必要な部隊だったのか疑わしい」と憤った。

 中谷防衛相は概況説明に続く隊員訓示では「南西地域は本州とほぼ同じ距離を有するにもかかわらず、沖縄本島以外に陸自は配備されていなかった。大きな意義がある配備」と力説した。

■「島しょ防衛に誇り」与那国駐屯地で中谷防衛相訓示

 【与那国】中谷元・防衛相は27日、与那国沿岸監視隊(仮称)の駐屯地を視察し、隊員160人を前に「島しょ防衛に誇りを持ち任務に当たってほしい」と訓示した。

 同隊は28日に発足するが、同日は国会審議があるため、前日に与那国入りした。中谷防衛相は新設された庁舎の屋上で駐屯地の概要を聞き取った後、体育館建設予定地で隊員を激励。

 「与那国島への陸自配備は厳しい安全保障環境の中、防衛の空白地域を埋め、大きな意義がある。国境を守り、地域から頼られる自衛官として活躍してほしい」と呼び掛けた。

 同町の外間守吉町長とも会談し、駐屯地受け入れに謝意を述べ、「地域発展にも貢献したい」と語った。会談後、外間町長は「島には配備反対の人もいる。自衛隊を前提とした経済効果と行政の役割を丁寧に説明していきたい」と語った。