【東京】政府は1日、世界自然遺産登録を目指していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦をいったん取り下げることを閣議了解した。今夏の登録は断念し、最短で2020年夏の登録を目指す。日本が審査前に取り下げるのは自然遺産で初めて。

国頭村安田、安波上空。中央のフンガー湖周辺には米軍北部訓練場の返還地や世界遺産の推薦地が広がる=5月30日(本社チャーターヘリから国吉聡志撮影)

世界自然遺産の候補の区域

国頭村安田、安波上空。中央のフンガー湖周辺には米軍北部訓練場の返還地や世界遺産の推薦地が広がる=5月30日(本社チャーターヘリから国吉聡志撮影) 世界自然遺産の候補の区域

 ユネスコの諮問機関国際自然保護連合(IUCN)が5月、米軍北部訓練場返還地などを加え、小規模な飛び地を省くなど推薦区域の見直しを求め「登録延期」の勧告を出した。

 政府は今回、「生態系」と「生物多様性」の二つの世界自然遺産の評価基準に推薦した。しかしIUCNは、推薦した計約3万8千ヘクタールが24区域に分断されているため、持続可能性に懸念があるとして「生態系」は「基準に該当しない」と評価。そのため政府は、基準適合の可能性がある「生物多様性」を中心に推薦書の組み立てを検討する。

 世界遺産委員会は、20年以降は新規登録審査を1国1件に限定。環境省が目指す19年2月に再推薦するには、文化遺産登録を待つ自治体とも調整が必要となる。

 6月24日から7月4日にバーレーンで開かれる世界遺産委員会での本審査にかけることも可能だが、政府は、IUCNからアドバイスを受けながら推薦書の修正作業を進め再提出した方が、速やかで確実な登録につながると判断した。

 中川雅治環境相は閣議後会見で「IUCNも世界遺産として価値のある地域と判断している。(推薦書を)修正ししっかりと登録できるよう努力したい」と説明した。外来種対策や観光客の受け入れも課題として挙げられたことから、確実な登録に向けての管理体制強化などを地元自治体と確認したことも明らかにした。