沖縄県議会(喜納昌春議長)は28日の2月定例会最終本会議で、学校での手話普及や月1回の「手話推進の日」制定などを盛り込んだ議員提案による手話言語条例案を全会一致で可決した。4月1日から施行される。提案理由の説明時に県議会の議場内で初めて手話通訳者が特例で配置され、聴覚障がい者や支援者が傍聴席で採決を見守った。

県手話言語条例が成立し喜ぶ傍聴席の聴覚障がい者や関係者=28日午前、沖縄県議会

 条例は手話が意思疎通に必要な言語という認識の下、県の責務として市町村と連携した手話通訳者の養成や、学校教育を含めた手話普及に努めるよう規定。毎月第3水曜日を手話推進の日とし、聴覚障がいの当事者や学識者らでつくる県手話施策推進協議会の設置も明記した。

 昨年10月から県議会与野党の14人でつくる検討委員会(呉屋宏委員長)が全国の先行事例などを基に案文を作成。今年1月から1カ月間、県民へのパブリックコメント(意見公募)を実施した。

■聴覚障がい者「私たちにとって前進の日」

 両手を掲げヒラヒラと振るのは、手話で拍手の意味。条例が可決されると、傍聴席では聴覚障がい者や支援者ら約30人が「音のない拍手」で喜びを表した。提案理由を説明した糸洲朝則氏(公明県民無所属)は、手話を交えて自己紹介。その傍らで、沖縄聴覚障害者情報センターの大嶺文子さん(48)が手話通訳した。

 県聴覚障害者協会の野原龍信会長(53)は「私たちろう者にとって大きな前進の日」と条例可決を歓迎。比嘉豪理事(63)は「買い物でおすすめを聞こうにも、手話が通じないのでもどかしかった。きょうを境に1人でも多くの人に手話に親しんでほしい」と期待した。

 条例の検討過程では、手話に限らず障がいの状況に応じて要約筆記や点字、音訳などの利用促進も盛り込むよう求める意見が上がった。長女(24)に聴覚障がいがある県聴覚障害児を持つ親の会の真栄城守信会長(51)は「より多様な手段が普及するよう今後設置される手話施策推進協議会などで議論し、条例に肉付けしてほしい」と要望した。