国の伝統的工芸品に指定されている「知花花織」の衣装を着た結婚式が3日、沖縄県宜野湾市内で開かれた。染織家として活躍する新婦の金良美香さん(39)が、自身や新郎、家族の衣装を手作り。新郎の政輝さん(39)は「一生に一度の晴れの日にふさわしい衣装。妻がとても誇らしい」と喜んだ。(中部報道部・比嘉太一)

美香さんが織った知花花織で結婚式に参加した金良家と花城家の家族=3日、宜野湾市・ラグナガーデンホテル

 きらびやかなグレーが特徴の政輝さんのはかまは、美香さんが今年4月デザインし、1カ月かけて織った。美香さんは「知花花織は晴れ着の衣装として地域の人々に愛されてきた伝統工芸。結婚式で着ることは伝統継承にもつながる」と意義を強調。身に付けた政輝さんは「愛情がこもっている。フィット感もたまらない」と照れくさそうに笑った。

 大学でデザインを学んだ美香さん。卒業後は県内のデザイン会社に就職したが、たまたま地域の広報誌で「知花花織の研修生募集」を見たことがきっかけで退職し、花織の世界に飛び込んだ。「もともと伝統工芸に興味があった」。現在、同花織事業組合に所属し、日々、織機と向き合っている。

 斬新さと伝統を併せ持った美香さんの作品は評価が高く、これまで沖展や工芸フェアでいくつも賞を受賞した。両家の家族が着用した花織は、過去の受賞作品を着物に仕立てた。

 母の花城菊枝さん(68)は「大切な日に美しい知花花織を着られて本当に幸せ。4年前に亡くなった夫も天国で喜んでいる」と涙ぐんだ。

 同組合の小橋川順市理事長は「自らの結婚式に知花花織を着用するという気持ちは地域社会の誇りである。末永く幸せになってほしい」と祝福した。