〈こどもと こどもは せんそうしない けんかはするけど せんそうしない〉〈せんそうするのは おとなとおとな〉。シンプルなフレーズが胸に刺さる

▼詩人の谷川俊太郎さんが昨年、戦後70年を機に出版した絵本「せんそうしない」(講談社)。集団的自衛権の行使が可能となる安全保障関連法が施行された今、大人に読んでほしいと思う

▼全国で安保法の廃止を訴える集会やデモなどの活動がとまらない。多くの人が納得できないのはこの法律が多数の憲法学者が指摘する「憲法違反」だからだろう。そして「戦争ができる国」への危機感だ

▼「先が長くない私たちはいいんです。今の子どもたちのために二度と戦争してはいけない」。那覇市の県庁前で29日開かれた安保法廃止を訴える集会。足を運んだ理由を70代の女性は「子どもたちのため」と何度も口にした

▼一方、集会の様子をみて「楽しんでるだけ。だから共感できない」と吐き捨てるように話す若者の姿も。世代によって安保法の受け止め方に違いがあるのは当然だが、「違憲」疑いの状況を見過ごすことはできない

▼谷川さんは戦争をテーマにした別の絵本のあとがきで問う。「人間はどうして戦争をなくすことが出来ないのか、未来に答はあるのでしょうか」。その答えを探すのは私たち一人一人だという自覚を持ちたい。(赤嶺由紀子)