2018年(平成30年) 6月24日

社説

社説[空軍オスプレイ飛来]既成事実化を懸念する

 米空軍の輸送機CV22オスプレイ4機が嘉手納基地に初めて飛来した。トラブルを起こし、緊急着陸した1機は奄美空港(鹿児島県)にとどまっている。

 嘉手納へ飛来したのは「訓練に参加するための経由地」という。横田基地(東京)へ正式配備されていないにもかかわらず、嘉手納を経由する目的は何なのか。そもそも横田配備を夏ごろに前倒しするのはなぜなのか。

 当初、配備先として嘉手納が候補に挙がっていたことを勘案すれば、沖縄の反応を見ながら、沖縄配備を考えているのかもしれないとの疑念が消えない。

 今回、地元自治体へ事前通告がなかった。飛来後に連絡するとの米側からの要請を受け入れた日本政府の対応には納得がいかない。米軍からの情報は速やかに関係自治体に提供すべきだ。

 CV22が横田に正式配備された後は、県内の基地や訓練場も使用する。米軍の環境レビューによると、訓練区域に「既存の沖縄の訓練場」、弾薬の使用も「沖縄の訓練場」と記されている。

 嘉手納には空軍の特殊作戦部隊が常駐している。このためCV22は嘉手納を訓練拠点として県内各地の訓練区域が使われる可能性が高い。

 伊江島補助飛行場ではCV22を収容できる駐機場の整備が進んでいる。つまり、横田に所属していても、実際に訓練するのは沖縄という懸念が拭えないのである。

 日米一体化による軍事要塞(ようさい)化で沖縄の基地負担は増加するばかりだ。日米両政府が口をそろえる「負担軽減」と逆行するのは明らかである。

■    ■

 CV22は特殊作戦部隊をひそかに紛争地に輸送するのが任務だ。厳しい気象条件下でも低空飛行するため地形を追随する装置や電子妨害機能などを備えている。離着陸訓練や空対地射撃訓練、夜間飛行など米海兵隊のMV22オスプレイより、さらに厳しい環境で訓練を行う。

 CV22の危険性は事故率がMV22と比べて高いことが裏付けている。

 2017年9月時点のデータによると、死者や200万ドル以上の損害が出た「クラスA」の重大事故は、10万時間当たりに換算するとCV22は4・05。MV22の3・24を上回る。

 名護市安部の海岸で墜落したMV22と、弾薬を積んだCV22が沖縄周辺の空を昼夜問わず飛び交うことになるのである。事故のリスクが高まるのは間違いない。

■    ■

 嘉手納ではF35A戦闘機12機が本国に帰還したのと入れ替わり、F22最新鋭ステルス戦闘機10機が1カ月間「暫定配備」されたばかり。さらに4機が飛来する。F15戦闘機などの常駐機に加え、爆音が住民生活を脅かしている。

 県が行った現地調査によると、ドイツやイタリアは地位協定の改定や新たな協定の締結で自国の法律や規則を米軍にも適用しているという。それによって米軍の活動をコントロールし、自国の主権を確立しているという。

 日本も地位協定を改定して米軍に国内法を適用し歯止めのない活動を制限すべきだ。

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