沖縄タイムスが行ったインターネット上のアンケートでは「預け先が決まらず職場復帰ができなかった」「認可外は保育料が高く、働いても保育料で消えてしまう」などの回答が多数あった。保育園の選考に落ちて、退職を余儀なくされ、それまでのキャリアを失ったり、認可外の高い保育料が家計を圧迫したりしていた。(学芸部・豊田善史)

■本紙ネット調査 不安の声

 アンケートに答えたナオコさん(35)=仮名=は、0歳と4歳の息子、夫と4人家族。教育関係の仕事に就いていたが、育休の制度がなかったので出産前に退職した。

 育児・介護休業法では、出産後の一定期間、育児に専念するため労働者に認められている休業があり、事業主は労働者から申し出があった場合、拒むことができない。ナオコさんは職場にお願いしてみたが「育休中の給与など、財政面で厳しい。復帰できるときに再雇用するから」と返答された。

 長男が生まれ、生後3カ月になった時に再就職できたものの、以前の役職には戻れなかった。また、新しい職員が入っていたため、勤務日数も週2回となった。「約束していたのに…」と脱力した。

 フルタイム勤務ではなかったため、認可保育園の選考にも落ち、1時間約600円でファミリーサポートセンターなどを利用した。月々の支払いが2万4千円。給与のほとんどが保育代に消えていた。

 その後、専門学校の非常勤講師として転職し、長男は認可保育園に入所することができた。しばらくして第2子を身ごもり、長男の時と同じく仕事を退職した。

 妊娠中、ナオコさんは住んでいる市の保育制度のことを知る。母親が無職の場合、第2子出産の2カ月後、認可保育園に預けている第1子の長男は保育園を退所しなければならないとのことだった。

 役所に問い合わせると「第2子の出産後、2人一緒に子育てができる環境になるから、第1子は認可保育園を退所してもらうことになる」と返答された。

 ナオコさんは「非正規社員で不安定なうえ、子どもも安心して預けられないのはおかしい」と強調する。

 次男の出産後、在宅でする語学関係の仕事に就くことができたが、どこの認可外保育園も定員に達していて預け先が決まらなかった。60代前半の両親も現役で働いていたため、預けることができなかった。「預け先が決まらず、不安に駆られる日々だった」と振り返る。役所は在宅の仕事は自宅でするため、就労者として認めてくれなかった。何度も足を運び、1日のタイムスケジュールや依頼された仕事の契約書、仕事量など細かく伝えた。

 諦めていた認可保育園だったが1月、入園決定通知が届いた。「運が良かったとしか思えない。役所には多様な働き方を考慮して選考してほしい。今の制度では2人目を安心して産めない」と不安を訴えた。