COPDという病名を聞いたことはあるでしょうか。日本語では、「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」といわれ、以前は肺気腫、慢性気管支炎と呼ばれていました。タバコが90%以上の原因とされ、慢性的に気管支に炎症が起き肺胞が壊れて、正常な呼吸ができなくなる病気です。

 厚労省の統計によると、COPDは日本人の死因第10位、男性に限ると第8位で、今後さらに順位は上がると予想されています。現在25%と低いCOPDの認知度を上げれば早期発見、そして禁煙につなげられるため、厚労省は2022年までに認知度を80%まで引き上げることを目標に対策中です。

 COPDの主な症状は次のとおりです。(1)慢性的なせき・たん(2)坂道や階段を上がると息苦しい(3)同年齢の人の歩くスピードについていけない(4)なかなか風邪が治らない(5)ぜんめい(ぜーぜー・ひゅーひゅー)があり息苦しい。

 20年以上かけて徐々に呼吸障害が進むので、歩行時や運動時の息切れを年のせいと思い、COPD発症に気づくのが遅い方も少なくありません。進行すると少し動いただけでも息切れし、常に酸素吸入が必要になることがあります。また、肺だけでなく全身に影響し、心・血管疾患、骨粗しょう症、糖尿病などを併発しやすくなります。

 COPDの診断は、喫煙歴、症状、胸部エックス線写真でもある程度できますが、確定診断には、スパイロメーターという器械を使った肺機能検査(スパイロ検査)が必要です。肺活量と息を吐くときの空気の通りやすさを調べ「肺年齢」もわかります。

 COPDなのに診断されていない人は全国で500万人以上と推定されています。慢性的に肺機能が低下するため、症状がなくてもスパイロ検査で異常を呈すことがあり要注意です。現時点の治療では完全に健康な肺には戻せませんが、少しでも早く診断・治療することで健康状態の悪化と日常生活上の支障を防ぐことができます。喫煙歴のある40歳以上の方は、ぜひ一度スパイロ検査を受けることをお勧めします。(玉城仁 仲本病院呼吸器内科)