誰かに抱きしめてもらった時の、肌のぬくもりがじかに伝わってくるような、そんな映画。

「万引き家族」

 祖母の年金にぶら下がった家族5人の生活。けが一つで断たれる日雇いの仕事。生活費の不足を父と息子は万引で補おうとする。

 ここで一般社会の普通という概念からは遠くにいる家族だと認識するが、不思議と嫌悪感は湧かない。さらに虐待を受けていた女の子を暫定家族に迎えてから、この家族のぬくもり度数は不安と表裏一体となって一気に上昇する。

 家族の中で、大方は意図せずにその役割を担う。親であり、子供である事そのものが居場所でもある。でもそれらを持たない人間が、必死に求め合う事を誰が笑えよう。見なかった事になんかできない現実がここにある。(スターシアターズ・榮慶子)

 ◇シネマQ、シネマライカム、ミハマ7プレックス、サザンプレックスで8日から上映